Vista Home Premium×Core 2 Duo T7200で15万円台のワイドノートPC――Gateway「MT6827j」米国牛ノートの逆襲(2/3 ページ)

» 2007年03月07日 11時00分 公開
[富永ジュン,ITmedia]

光沢仕様のワイド液晶とクリック感のしっかりしたキーボード

1280×800ドット表示の15.4インチワイド液晶ディスプレイを搭載。Gatewayらしいネイチャーフォトの壁紙が用意されている

 冒頭で述べた通り、液晶ディスプレイは1280×800ドット(WXGA)表示に対応した光沢仕様の15.4インチワイドパネルを採用する。解像度については、1680×1050ドット(WSXGA+)という選択肢も欲しかったが、価格を考えると妥当なスペックに違いない。ワイド画面なので、Windowsサイドバーを表示しても十分な作業スペースが得られる。

 液晶パネルは上下の視野角がやや狭く、ユーザーの姿勢に応じたチルト角度の調整が必要だが、左右の視野角は問題ない。総じて、ノートPC用のディスプレイにしては視野角が広いほうだ。輝度はFnキーとカーソルキーの上下を同時押しすることで8段階に調整可能だが、あまり可変域は広くないうえ、最高輝度の状態でも明るさは抑えめだ。液晶パネルは光沢仕様だが、国内メーカー製ノートPCのような外光の映り込みを低減させる低反射処理は施されていないため、外光が映り込みやすい。

 発色については液晶パネルに光沢感があるおかげで一見鮮やかだが、彩度とコントラストが低めで、全体的に白っぽい色合いだ。また、グラデーションの明暗部がつぶれやすい。DVD-Videoなどの映像コンテンツを気軽に楽しむにはまったく問題ないが、鑑賞するといったレベルを期待しないほうがよいだろう。ちなみに内蔵のステレオスピーカーはノートPCとしては標準的なもので、音が少しこもりがちだった。

 もっとも、映像再生のような画質にこだわるシーンを除けば、表示に大きな問題はない。最低輝度の設定では表示がかなり暗くなるので、長時間の文書作成やWebブラウズでも目が疲れにくかった。表示品質は用途によって、評価が違ってくる。

キーボードとタッチパッドのボタンはしっかりしたクリック感がある。タッチパッドの下に無線LANやHDDアクセスのインジケータが用意されている

 キーボードは、キーピッチが約19ミリ、キーストロークが約2.5ミリと標準的だ。キータッチは比較的重めで、キーを最後まで押し込んだときのクリック感もしっかりしている。キーボードユニットのたわみは少なく、アルファベットキーなどのスクエアキーは打ちやすいが、ShiftやBackspace、Enter、スペースバーなど幅広のキーは、若干キートップがぐらつく印象だ。

 キーレイアウトは、Enterと右Shiftの右側にHome、PgUp、PgDnの3つが配置されている点でミスタッチを誘うが、カーソルキーがほかのキーから一段下がった独立レイアウトになっているなど、全体的にはクセの少ない配列と言える。長時間使っているとキーボードとパームレストの右側がほんのりと暖かくなるが、不快に感じるほどではなかった。

 キーボードの周りに特殊キーやワンタッチボタンは設けられていないが、Fnキーとファンクションキーの組み合わせで動作するホットキーから、さまざまな動作が行える。用意されているホットキーは、輝度調整、音量調整、ミュートといった一般的なものから、青色LEDの消灯、高輝度と低輝度の切り替え、スリープ、無線LANやBluetoothのオン/オフ、さらにはWindows Media Centerに対応したコンテンツの再生/一時停止/停止/スキップの操作も割り当てられている。

 タッチパッドはサイズが大きく、パームレスト部より一段くぼんでいるので、タイプ中に手が触れてポインタが勝手に移動するようなことはない。タッチパッド右端の幅1センチ程度のエリアはなぞるだけで縦スクロールが可能なバーティカルスクロールゾーンになっているが、エリア判定が厳密ではないようで、意図せずにウィンドウがスクロールしてしまうことがあった。光沢ブラックのマウスボタンは指紋が付着しやすいほか、サイズがかなり大きいうえにタッチが堅めで、しっかりと押す必要があるのは好みが分かれるところだ。

Vista Home Premium標準機能を生かした最小限のソフトウェア構成

 プリインストールソフトが比較的少ないのもMT6827jの特徴だ。購入直後の状態でインストールされているのは、マカフィーのセキュリティソフト「インターネット・セキュリティ・スイート(90日版)」、サイバーリンクのDVD/CDライティングソフト「Power2Go v5」、デスクトップ検索ツール「Googleデスクトップ」、PDF閲覧ソフト「Adobe Reader 7」のみだ。なお、本体価格プラス2万円ほどで、Office Personal 2007プリインストールモデルも販売されている。

 シンプルなソフトウェア構成なので、購入直後からいろいろな作業がすぐにできるというオールインワンパッケージを求める初心者にはやや敷居が高いかもしれないが、「この作業にはこのアプリケーションを個別に入手して使う」と決めていたり、「こんなプリインストールソフトはいらないから、本体価格を下げてほしい」と考えるような中上級者にはうってつけだろう。

 とはいえ、Windows XPと異なり、Vista Home Premiumは標準でさまざまなAV機能を備えている点は忘れてはならない。MT6827jはTVチューナーこそ内蔵していないが、デジタルカメラで撮影した静止画の管理やスライドショー再生、DVD-Videoをはじめとする動画コンテンツの再生はWindows Media Centerでまとめて行えるし、DVDのオーサリングはWindows DVDメーカー、HDV対応の動画編集はWindowsムービーメーカーを使えばよい。Windows DVDメーカーやWindowsムービーメーカーは、市販ソフトのように多機能ではないが、映像コンテンツを簡易編集して別形式で保存するのに必要十分と言える。

ライティングソフトのPower2Go v5はBlu-ray DiscやHD DVDの書き込みにも対応しているが、搭載する光学ドライブはDVDスーパーマルチなのでBlu-ray DiscやHD DVDは扱えない(写真=左)。Windows Media CenterでDVD-VideoなどのAVコンテンツをまとめて再生できる(写真=中央)。WindowsムービーメーカーはHDVの編集に対応する(写真=右)

 このほか、インターネット経由でパッチを自動配信する「BugFixアップデータ配信」とメンテナンスツール「ゲートウェイリカバリ」の2つのオリジナルユーティリティが付属している。ゲートウェイリカバリでは、プリインストールアプリケーションの再インストールやデバイスドライバの修復のほか、システムのバックアップと復旧が可能だ。1枚のCD/DVDに収まらない場合に複数枚に自動分割して記録可能なリカバリCD/DVDの作成、ISO形式でのリカバリイメージの作成、ネットワーク経由でのリカバリイメージの保存にも対応するなど、市販のバックアップツール顔負けの機能を備えている。こまめなバックアップは、非常に有効なトラブル回避法なので、標準で高機能なツールが提供されているのはありがたい。

ユーザーのPCメンテナンスを容易化するBugFixアップデータ配信(写真=左)と、ゲートウェイリカバリ(写真=右)

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