HPのスペシャルモデルは、夏だけど“雪景”――「HP Pavilion Notebook PC dv6500/CT Special Edition」白いSantaは1000台限定(2/2 ページ)

» 2007年08月10日 11時11分 公開
[富永ジュン,ITmedia]
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癖のあるキーボードとタッチパッドは従来機を踏襲

従来機と同じ、光沢タイプの15.4インチワイド液晶ディスプレイを搭載する。上部中央に30万画素のWebカメラを内蔵している。輝度は10段階に調整可能だ

 本機に搭載される液晶ディスプレイは、1280×800ドット表示に対応した15.4インチワイドのウルトラクリアビューだ。DVD-Videoの再生時にあざやかな発色をしてくれる半面、低反射処理がなされてはいるが、ある程度の映り込みは避けられない。輝度もやや低めだが、液晶ディスプレイと正対して使う場合ならあまり気になることはないだろう。

 キーボードは色がブラックからシルバーに変更されたものの、従来機と共通のキーピッチ19ミリ、キーストローク2.5ミリのスペックを持つ。流線型のボディ形状と同じく、キートップはエッジを落とした丸みを帯びたものになり、指先にキーがなじみやすいようゆるやかなへこみがつけられている。キータッチはやや軽めで、入力時にカチャカチャという音が少々するのに加えて、Enterキーの右側に「Home」「Page Up」「Page Down」「End」キーが縦一直線に並んでいるのも気になるところだ。Enterキーとの間に2ミリのスペースが空けられているとはいえ、慣れるまでは違和感を覚えるだろう。ちなみに、スペースバーの長さは約68.5ミリだ。

 ポインティングデバイスは、84(横)×41(奥行き)ミリのゆったりとしたサイズのタッチパッドが用意されており、その右端に上下スクロールに対応したスクロールバーが配置されている。パッド表面にもコーティング加工が施されているため、指先に湿り気がある時などは逆に吸い付いてしまってやや滑りが悪いように感じられたが、使い勝手は上々だ。また、Synaptics製ドライバが導入ずみで、上下/左右のスクロールをはじめ、タップによる動作やエッジモーションの設定など多様な機能が利用できる。

 タッチパッド上部には同社製ノートPCでおなじみとなる、タッチパッドのオン/オフボタンがあり、簡単にタッチパッドの有効/無効を切り替えられる。ユーティリティソフトの操作などを必要とせず、外付けマウス使用時には専用のボタンを押すだけでタッチパッドが無効になるという分かりやすさはおおいに評価したい。ただ、タッチパッドの位置がホームポジション直下(やや左寄り)ではなく、ボディのセンター部分にあるのはこれまでのモデルと同じで改善が見送られているのは残念だ。

 キーボード上部にはタッチセンサ式のマルチメディア操作ボタンと音量調整ボタンが並ぶ。DVD-Videoの再生やマルチメディアファイルは、標準で付属する赤外線リモコン「HPモバイルリモートコントローラ」でも扱える。このあたりの詳細は、こちらのレビュー記事(“雫”や“雪景”もいいけど、やっぱり“砂紋”ですよ――「HP Pavilion Notebook PC dv2405/CT」)を参照してほしい。

カラーリングがシルバーに一新されたキーボードを採用する。一部に不規則な配列が見られるほか、タッチパッドが左右中央部分にある点は気になる(写真=左)。キーボード上部に静電式のワンタッチボタンとALTEC LANSING製のステレオスピーカーがある。タッチパッド上部のボタンを押すとLEDランプがオレンジ色になり(有効時は青色に点灯)、タッチパッドが無効になる(写真=中央)。Synaptics製ドライバの設定画面(写真=右)

パフォーマンスは良好でZEN-Design“雪景”も魅力

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックス画面

 最後に本機の性能を見てみよう。パフォーマンス測定に利用した評価機は、Core 2 Duo T7300(2.0GHz)、2Gバイトのメモリ、容量160GバイトのHDD、グラフィックス機能はNVIDIA GeForce 8400M GSと、主なBTOオプションで最上位のものを選んだ仕様だ。なお、GeForce 8400M GSのローカルメモリは128Mバイトで、GPUクロックとメモリクロックともに400MHzで動作していた(nTuneで計測)。

 Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアは3.1とまずまずだが、これはグラフィックスの項目が足を引っ張っているせいだ。そのほかの項目では、ゲーム用グラフィックスを含めれば4台、ゲーム用グラフィックスを除くと4.8〜4.9とかなりの好成績をあげている。ライトなオンラインゲームなど、高度なグラフィックス機能を求めない3Dゲーム程度ならば難なくこなせるだけのパフォーマンスが得られると言えるだろう。

 ただ、発熱源となる外付けグラフィックチップを搭載しているせいもあり、Webページの閲覧やメールのやりとりなどでは静かなものの、ゲームプレイ時にはファンの風切り音が耳についた。底面から吸気して背面に排気するので熱風は気にならず、負荷が少なくなればファンの回転も減るのだが、深夜などの静かな部屋では耳障りに感じるかもしれない。

 発熱に関しては、手の触れる部分では40度を超えなかったが、システムに負荷をかけ続けるとボディ全体がやや熱を帯びがちだった。

左からPCMark05、3DMark06(1280×800ドット)、FFXI Bench 3のテスト結果
評価機の主なスペック
CPU Core 2 Duo T7300(2.0GHz)
メモリ 2Gバイト(1024Mバイト×2/PC2-5300)
HDD 160Gバイト(2.5インチ/5400rpm)
光学ドライブ DVDスーパーマルチ
グラフィックス GeForce 8400M GS
OS Windows Vista Home Premium


 本機は、PCとして奇をてらったデザインではないにもかかわらず、メカっぽさを感じさせず、インテリアアイテムとしても十分通用するだけの上品さと質感を持ったノートPCだ。デザイン面だけでなく、一般的な用途で必要とされるパフォーマンスと機能がそつなく盛り込んであり、PCで音楽CDを聞いたりDVD-Videoを視聴する若者や家庭内に複数台のPCがあるファミリーなどにはうってつけだろう。

 評価機の構成では20万8950円になるが、最小構成だと11万9700円にまで絞り込める。基本スペックが充実しているので、本当に必要なパーツのみを見極めたうえでカスタマイズすればよいはずだ。さらに随時行われているキャンペーンを利用すれば(原稿執筆時は同社製プリンタのHP Deskjet D4160が無料で付属していた)、より賢い買い物ができるだろう。もちろん、合計1000台の限定モデルゆえ、あまりぐずぐずしていると悲しい事態になるのは覚えておこう。

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