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ちょっと気になるネットの話題「ねとらぼ」
連載2007年10月29日 11時45分 更新
林信行の「Leopard」に続く道 第5回:System 7で幕をあけた激動の1990年代(後編) (4/4)Finderの使い勝手を改良しつつ収束したMac OS 8と9Mac OS 9では目立った機能の追加は減り、Classic環境への対応が中心となったが、その前のMac OS 8と、続く8.1、8.5、8.6では、数多くの機能が追加された。それらをすべて列挙することはできないが、特に重要なのは、Mac OS 8で実装された2つの機能「フォルダナビゲーション」と「ポップアップウィンドウ」だろうか。 旧Mac OSには、Mac OS Xのカラム表示にあたるものがなく、3階層下のフォルダを開くためには、3つウィンドウを開く必要があった。このため画面がすぐにウィンドウだらけになり、必要なウィンドウが隠れてしまうという問題が頻発した。 Mac OS 8で追加されたフォルダナビゲーションは、ファイルアイコンをドラッグしてフォルダアイコンの上にしばらく重ねておくと、フォルダが自動的に開く、という機能だ。フォルダ内の別フォルダに重ねると、さらにウィンドウが開くが、その際、前のウィンドウを自動的に閉じてくれるので、画面がウィンドウだらけにならなくてすむ。アップルは一時、この機能を捨て去るが、ユーザーからの熱い要望により、Mac OS X v10.2 “Jaguar”で復活した。 一方、ポップアップウィンドウはよく使うウィンドウを画面の下に持っていくと、ウィンドウタイトル部分だけがタブとして残る、という機能だ。このタブをクリックするとウィンドウが引き出しのように飛び出してくる。なお、Mac OS XではDockがあるので、この機能は消える運命となった。ちなみにMac OS Xに引き継がれているコンテクストメニューも、Mac OS 8で追加されたものだ。 Mac OS関連用語コンテクストメニュー、フォルダナビゲーション、ポップアップウィンドウ 市場シェア争いに翻弄(ほんろう)された10年間長々と書いてきたが、System 7が登場した1991年からMac OS Xがリリースされた2001年までの激動の10年を要約すると、この時代は、アップルが競争に明け暮れ、迷走を続けた時代だった。 10年間アップルを迷走させ続けたのは、メディアが常に話題したMac OSとMS-DOS/Windowsのマーケットシェアの話題だ。PC市場におけるMac OSのシェアは、日本では一時、最大20%ほどまで拡大したが、1990年前半でだいたい10%程度、これがWindows 95の発売後は5%ほどにまで落ち込んでいる。 アップルはなんとかシェアを拡大しようとして、低価格な製品を乱造し、販売チャンネルを増やし、Windowsより多くの機能を先駆けて搭載し、他社と連合を組み、CPUから次世代OS、PDA、ゲーム機などさまざまな研究開発に膨大な資金をつぎ込み、最後には少しでもシェアを伸ばそうと互換機ビジネスにまで手を出し、自社をソフトウェア会社とハードウェア会社に分社化することさえ検討した。 しかし、そうした努力はついに実らず、最後には水泡に帰した。 Macは少し挽回したとはいえ、いまでも5%前後のシェアに落ち着いている。それでも好調なアップルの収益の約半分は、Mac事業の収益だし、ビジネスとしても非常に健全なものとなっている。 以前、スティーブ・ジョブズCEOはこう語ったことがある。「Macのシェアが少ないというが、車市場におけるメルセデスやBMWと同じ程度のシェアは持っている。いったいBMWのどこが悪いというんだ?」。 本来は製品開発にどういう姿勢で臨むべきかを問題にするべきなのに、1990年代のアップルは、マスコミが書き立てる市場シェアの数字に流され、「アップル対マイクロソフト」という対決の構図にとらわれて、そうした構図の外にある新しいイノベーションの創造を忘れていたのだ。 1997年夏、アップルで実権を握ったスティーブ・ジョブズはこう言った。 「“アップルが勝つためにはマイクロソフトが負けなければならない”と言う考えは捨て去らなければならない。アップルが勝つためには、アップルがいい仕事をすればいいんだ」。その後、ジョブズが始めたいい仕事の1つは、翌1998年に「iMac」という製品で形になった。 しかし、ジョブズの本当の革命が始まったのは2001年からだ――この年、アップルはデジタルライフスタイル戦略を打ち出し、チタニウムのPowerBook G4を発表し、iTunesをリリースし、Mac OS Xもリリースし、直営店のApple Storeを展開し、そして最後にはiPodを世界に生み落とした。 ジョブズ革命の口火を切ったMac OS Xの歴史は、次回で振り返る。 関連記事
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