発表会で最初に登壇したNEC取締役執行役員専務の大武章人氏は、同社のPC事業と通信インフラの進化をスライドとともに振り返り、PCの処理性能と通信速度が向上していることを改めて強調。また、1977年10月10日にNEC元会長の小林宏治氏がC&C宣言をしてから今年で30周年を迎えることについて「“いつでも、どこでも、だれとでも”つながる時代が(ComputerとCommunicationの融合により)21世紀の初めに到来すると予見したが、それが具現化された年となった」と述べた。
Luiに関しては「高速化したPCと通信環境に独自技術を組み合わせた新しい提案で、PCとネットを融合したユビキタス時代を引っ張る製品」とその先進性をアピールし、あいさつを締めくくった。
Luiの具体的な説明は、NECパーソナルプロダクツ代表取締役社長の高須英世氏が担当した。まず高須氏はLuiの開発に至る背景を説明。個人で利用するデジタル機器の現状について、「家庭内でPC、TV、レコーダーといったデジタルコンテンツを管理する機器が増えてくると、機器の使い分けやデータ管理、連携が難しい。SNSやブログ、動画共有サイトなどのインターネットサービスはPC以外で十分に利用できない」との課題を挙げた。
一方、PCの利用状況として「1日あたり2.7時間使われており、TVや携帯電話より利用時間が長い。携帯端末から自宅のPCへアクセスしたい人は半数以上。インターネットアクセスに利用する機器は携帯電話よりPCのほうが多い」といった調査結果を示し、ネットワーク環境の普及と高速化が進んでいることも踏まえ、「既存の携帯端末を超えるユビキタス利用が可能なPCのニーズが拡大している」と述べた。
こうした背景で投入するLuiは「コンテンツの一元管理とユビキタス利用を実現することで、新たな課題への対応とPCの新しい使い方を提案するホームサーバ・クライアントソリューション」とのこと。
将来的には、大画面ノート型、壁掛け型、防水型などクライアントのバリエーションを増やしていくとともに、レコーダーとの連携や8チャンネル丸ごと録画といったAV機能の拡充、中小企業やSOHOといった販売対象市場の拡大を目指していくという。また、既存のPCをクライアントとするソフトウェアエミュレーション技術も実装可能だが、第1弾製品投入後のフィードバックを受けて検討していきたいとした。
なお、Luiは12月5日から7日まで東京ビッグサイトで開催されるITとネットワークの総合展示会「iEXPO2007」に出展される。
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