待望論がありながらも“政治的な理由”から製品化ができないと言われていたPC用の単体地デジチューナーが5月14日に解禁となり、アイ・オー・データ機器やピクセラ、バッファロー、エスケイネットの製品が一斉に店頭に並んだ。地デジのシングルチューナーを搭載したモデルは1万円から1万5000円で出回ったものの、当初はコピーワンスや編集不可などの制約がネックとなり、ブレイクには至らなかった。その後、ダビング10への対応や各社の独自機能の充実により、ゆっくりと浸透していくことになる。
フェイス パーツ館(当時)は「とりあえず編集できないとPCで録画する意味がないですからね。地デジチューナーよりも、D端子で映像入力と動画キャプチャが可能なアースソフトのPV4のほうが売れていますよ」と語っていた。
そんな地デジチューナーを尻目に大ヒットしたのが、6月初旬から出回りはじめたAtomをオンボードしたmini-ITXマザーだ。インテル純正の「D945GCLF」が1万円弱で登場し、そのコストパフォーマンスの良さから1ヶ月以上も「入荷したら即完売です」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という状態が続く。これ以降は他社製のAtomマザーが複数登場し、Core 2 DuoやPhenom X4が搭載できるmini-ITXマザーも発売されるなど、mini-ITX市場がにわかに活気づくことになる。
メインストリームで注目を集めたのは、AMDの「Radeon HD 4850」だ。搭載カードが2万5000円前後で出回り、「ミドルレンジの価格なのにGeForce 9800 GTを超える性能で、飛ぶように売れていますね」(クレバリー1号店)と、好結果を生んだ。GPUの勢力図は、これまでのNVIDIAが圧倒的に優勢という状態が大きく変わり、AMD製GPUが優位に立つこととなる。
そのほか、Intel P45 Expressマザーボードも6月初旬から発売が始まった。当初は「従来のP35マザーから性能向上を体感できる要素が少なく、手を出す人はあまりいません」(フェイス パーツ館:当時)と評価されたが、スムーズに世代交代し、2008年末には定番の地位に立っている。
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