“有機EL“VAIO、“3Dディスプレイ”搭載PCの可能性Display 2009(2/3 ページ)

» 2009年04月17日 10時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

コンシューマーPC向けの“3D”、「本当に必要なのか」をメーカーは思案中

photo ソニーブース参考展示された3Dディスプレイと3Dコンテンツ。3Dメガネを着用して視聴する

 このほか、3Dディスプレイの展示も目立つ。2009年1月の「International CES」で“家庭用3D”が叫ばれたように、ハリウッドをはじめとする映画業界は作品の3D化を推進していくという事例を軸にした「話題」も会場のあちこちで聞かれた。

 このうち、ソニーは3Dメガネとともに視聴するスタイルのデモ展示を行い、“映画館の環境を家庭でも”をアピール。ニューサイトジャパン、NEC液晶テクノロジーなど“3Dディスプレイコーナー”の各ブースは裸眼で3D映像を視聴できるパネルやソリューションを展示する。かたや「3D映画や3Dコンテンツを“明確な目的”で視聴」、もう一方は「デジタルサイネージや業務用途、パチンコ台のモニターのような組み込み機器といった“ながら利用”の提案」が軸となっている。3Dメガネを使用する──のは、街頭広告用途で考えると想定しにくいが、“効果”は裸眼型よりはっきり体感できる。


photo 主にデジタルサイネージ用途を想定するニューサイトジャパンの3Dディスプレイソリューション

 パララックスバリア方式による裸眼3Dシステムを提案するニューサイトジャパンは「3Dディスプレイ単体を販売するのではなく、コンテンツの開発ツールや展開方法も含めたソリューションとして訴求していきたい」とし、3D合成・編集ソフト(ニューサイトPPTK)とマルチビュープラグイン(3ds Max、Maya、Lightwave用)、3Dコンテンツ再生ソフト(ニューサイトメディアプレーヤー)をセットにした開発・再生アプリケーションとともに各種サイズのデジタルサイネージ用3D立体ディスプレイをラインアップする。フルHDの57型(推奨視聴距離約4メートル/約300万円)、42型(同4.5メートル/約150万円)、24型ワイド(同1.2メートル/約90万円)、8.4型ワイド(XGA 同0.9メートル/約38万円)のほか、180型/360型クラス(LEDタイプ)の“3D立体ビデオウォール”の受注も開始した。42型以上は実際のデジタルサイネージ用途に、24型ワイドのものはその開発作業用に用い、一般コンシューマー向けの販売は想定していない。

 NEC液晶テクノロジーは12.1型や3型といった、ノートPCや携帯電話によく使われるサイズの裸眼型3D液晶パネルを展示する。同社の3D液晶パネルはHDDP(Horizontally Double-Density Pixels)と呼ぶ、横方向に倍密度で画素を並べる方式を採用し、3D表示時も水平方向の解像度を維持できるのが特徴。画素密度を2倍にするので、結果として複眼3D表示時ももとの解像度を維持できる仕組みだ(実質は1600×600ドットということになる)。

 この1対になった左右の画素に同じデータを表示すれば2D表示、左右に異なるデータを表示すれば3D表示に切り替えられる。この方式を応用した「コンシューマーPCユーザーにも向く」と思える機能として、1つの画面で、3D表示する部分はそのまま、メニューバーや文字列など3Dでは見にくくなる部分は2Dモードで表示するといったように、表示方式を混在させた制御も可能だという。


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photophoto HDDPと呼ぶ倍密度画素配列方式を採用するNEC液晶テクノロジーの3Dディスプレイ

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