PCパーツショップ密集地の人口密度が限界に達した22日0時、各ショップの店内に設けられた特設スペースで、一斉にWindows 7販売解禁を祝う声が響いた。それまで購入予約券を持って、イベントを楽しんでいた人々が、目当てのショップへなだれ込んでいく。その総数は明らかではないが、挨拶がてら複数のショップを回っていたメーカー代理店やショップスタッフの話を総合すると、1000人はゆうに超えているとみられる。
近年の深夜販売を振り返ると0時半には解散状態になるケースが多かったが、今回は1時近くでも人だかりが消えず、営業を続ける店舗の姿がみられた。
すべてが終了したあと、今回のイベントの成功の度合いを過去に照らして聞いて回ったところ、「Windows 2000やXPと同レベルかもしれませんね」(TSUKUMO eX.)といったコメントが多かった。「集まった人数と、ユーザーの期待度が近い気がします。少なくともVistaよりはかなり反応がいい。成功に終わってよかったです……そして、疲れました」(同店)という。また、フェイス秋葉原本店のスタッフは「前後の時期の盛り上がりの突出度からいえば、Windows 98を彷彿(ほうふつ)とさせるものがありますね。Windows XP以来としても8年降り。この先数年はこれほど盛り上がる製品の登場は難しいでしょうから、アキバにとってWindows 7は“10年に1度のお祭り”という感じかもしれません」と語っていた。
深夜販売中に6店舗を回って壇上に立った日本AMDの土居憲太郎氏も「ショップとしてもメーカーとしても、Windows 7は期待の星ですからね。今後の自作市場が盛り上がることを期待します。ちなみに、私もプライベートマシン用にWindows 7を買いたかったのですが、売り切れるショップもあったみたいなので控えました。いずれは導入しますよ。もちろん64ビット版を」と、一日を振り返る。
しかし、1時頃には「これからが本番」と、すでに兜の緒を締めている店員さんも少なくなかった。あるベテラン店員氏は「Vistaのときも深夜販売はある程度盛り上がりました。しかし、その後に低迷が続いて、街全体の不景気につながったという側面があります。今後、通常販売になったとき、Windows 7がどれだけ長い期間、広い客層に魅力を放っていけるか。それがアキバのPCパーツショップが生き残っていくカギになるのは間違いありません。ぼくらは少しでも自作の魅力みたいなものを、店内などで伝えていけたらと思っています」と語っていた。
一方そのころ、明朝の通常営業を見越して、ソフマップ秋葉原本館に座り込む男性の姿があった。「0時までは深夜販売のいろいろなイベントを見て楽しんでいました。でも、狙いはここで朝からやるキャンペーンです」という。10月22日8時からは、Windows 7通常版の販売もスタートする。盛り上がりはまだまだ続きそうだ。
なお、Windows 7 DSP版やパッケージ版の販売風景は、こちらのTwitterでもお届けしているので、あわせて楽しんでほしい。
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