LEDバックライトを用いた液晶ディスプレイのサイズは10.1型ワイド、画面解像度は1366×768ドットに対応する。これまでも1366×768ドット表示のNetbookはいくつか存在していたが、この秋冬の新モデルでもいまだに1024×600ドット表示の製品は多く、それらに比べて約1.7倍の情報量が表示できる高解像度は大きなアドバンテージだ。
また、Windows 7ではWindows XPに比べて標準のタスクバーやスタートメニュー、アイコンなどが大きくデザインされており、フォントのサイズやレンダリング処理を好みに応じて調整できるため、Windows 7の利用を前提にした場合、高解像度のメリットは特に大きい。つまり、1366×768ドット表示の10.1型ワイド画面のようにドットピッチが少し狭くても、アイコンやフォントの表示が見やすいのだ。個人的な感想を述べると、1024×768ドット表示の10型液晶あたりでWindows XPを使う場合とそう変わりなく使える。
一方、エントリークラスのNetbookによく見られる1024×600ドット表示でWindows 7を使うには、設定をかなりカスタマイズしないとストレスがたまるだろう。
液晶ディスプレイの表面は光沢処理されており、表示はクッキリと鮮やかだ。その半面、暗い色を表示させたり、強い光が当たるような環境では映り込みが気になる。もっとも、輝度は十分に高く、照明が少々当たる程度では負けないくらい明るいこともあり、表示品質は良好といえる。液晶の色味、動画再生時のコントラストを調整できる独自機能「Eee Splendid Video Enhancement Technology」にも対応している。
視野角については特に上下方向で狭さを感じるが、このクラスのノートPCとしては水準級だろう。ただし、液晶ディスプレイの角度は125度程度までしか開かないため、ヒザの上で使う場合など、上から見下ろすような体勢になったときに見やすい角度まで開けないことがあるかもしれない。
なお、液晶ディスプレイは常時点灯ドットがあった場合、購入日より30日以内であれば、液晶ディスプレイを無償で交換してもらえるZBDサービスに対応する。Netbookはもちろん、単体の液晶ディスプレイ製品でもここまでのサポートが受けられる例は少なく、製品の隠れたウリの1つといえる。
キーボードは標準的な日本語の6段配列を採用。キーの縦サイズは最上段が約10ミリ、2〜5段目が約16ミリ、最下段は少し長く約19ミリを確保している。主要キーのキーピッチは約17.5ミリで、キーサイズは横が約17ミリ、縦が約16ミリと打ちやすい大きさだ。
ただし、PgUp/PgDnと共有している上/下のカーソルキーは横が約14ミリ、縦が約9.2ミリと小さく、やや打ちづらい。ファンクションキーを含めた最上段のキーも横が約14ミリ、縦が約10ミリと小さめだが、個人的には利用頻度が少ないこともあり、これくらいまでなら特に使いにくいとは感じなかった。
それ以外は特に入力ミスを誘発するような小ささや細さのキーはなく、配列も素直だ。タッチ感も上々で、押下したキーの反発は強すぎず弱すぎず、かつしっかりしたクリック感があって疲れにくいと感じた。最下段のキーが縦に長いのも打ちやすさに貢献している。キーボードユニットの固定もしっかりしており、わざと強く押し込めば、ごくわずかに沈む感覚があるかないかという程度だ。
タッチパッドはパームレストと一体化しており、パッド部分に細かいドット状の突起を多数設けてパームレストとの区別をしている。このパッドに敷き詰められた突起が、指の滑りを少しだけ悪くしているが、つっかえるほどではなく、操作性は悪くない。左右のクリックボタンは従来機と同じく一体成形になっており、ストロークが浅く硬めの感触だ。クリック時にはカチカチと音が鳴る。
タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバ(V7.2)が導入されており、マルチタッチのジェスチャー機能にも対応する。パッド上で2本指を開閉させることで、画像やWebページの拡大/縮小を行う「ピンチ」、パッドをはじくような操作によって慣性でカーソル移動させる「モーメンタム」などの動作が可能で、これらの機能が標準で有効化されている。
また、USB接続のホイール付き光学マウスも標準で付属する。キーボードの左奥にはタッチパッドの有効/無効を切り替えるワンタッチボタンが用意されており、誤ってパッド部分に触れてしまってトラブルになることを防げる。
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