MSIから発売された「CR500」は、「低価格で実用的なノートPCが欲しい」という人にうってつけの製品だ。従来モデルの「CR500 C50T30-HPBS」はWindows Vista Home Premiumを搭載し、CPUもCeleron T3000(動作クロック1.8GHz)だったが、最新の「CR500 C50T31-WSBS」では、OSがWindows 7 Home Premiumに変わっただけでなく、CPUもCeleron T3100に変更された。メモリ2Gバイト、15.6型ワイドで解像度1366×768ドットと大型の液晶ディスプレイを搭載しながら、実売価格で5万円前後とNetbook相当の価格を実現しており、実用的なパフォーマンスと気軽に購入できる価格を両立した製品となっている。
上記以外の仕様としては、HDD容量が160Gバイト、DVDスーパーマルチドライブを搭載、IEEE802.11b/g/nの無線LANに対応するほか、本体搭載のインタフェースとして、USB 2.0を3基、HDMIを用意する。また、130万画素Webカメラも内蔵する。
低価格帯向けのモデルながら、デザインから「安っぽい」印象は受けない。光沢感のあるボディは、外周部に角を丸める処理が施されており、ポインティングデバイスのボタンもメタリック調の塗装がされているなど、全体的に高級感を演出する努力がうかがえる。本体の重さが約2.54キロなので、屋外で長い時間持ち歩くには重いが、屋内据え置きのノートPCとしては安くて購入しやすい製品といえる。
CR500は、15.4型ワイド液晶ディスプレイを搭載しているため本体の幅が十分確保されている。キーボードも余裕のあるレイアウトを採用、テンキーも備えているので、ビジネスユーザーが多用する表計算シートで数値データを連続して入力するのに便利だ。
ただ、キーボード右側の記号キーやカーソルキーなどの幅が狭くなっているは使っていて気になった。「@」「¥」、そして「[」「 ]」などのキーはアルファベットの3分の2程度の幅しかない(通常キーの横幅が19ミリピッチであるのに対し、記号キーは17ミリピッチ、一部は15ミリピッチのキーも右寄り下部にある。縦方向はすべてのキーで19ミリピッチ)。
右側のShiftキーも通常キーと同じ横幅でかなり短く感じる。使用頻度の高いカーソルキーは17ミリピッチになっている。ただカーソルキーは「NumLock」解除状態にすれば、テンキーで代用できるので、数値入力を行わないときはこちらを利用すれば不自由はしないだろう。
ポインティングデバイスはタッチパッドを採用する。パッド部分と周囲の枠部分は一体成型だが、きちんと段差が設けられているので、指の感触だけでパッド部分を判別でき、使い心地は悪くない。タッチパットとして使うエリアのサイズは、76(横幅)×50(縦幅)ミリになる。クリックボタンは、一番手前の部分でつながっているものの、左右の境に切り込みが入っているので、通常のクリック、サブクリックの感覚で使える。最近のNetbookではクリックに使うボタンが完全に一体型になっているものがよくあるが、それと比べると操作しやすい。
インタフェース類は、右側面にUSB 2.0×1、背面にアナログRGB出力、HDMIと、USB 2.0×2を装備する。左側面には有線LANと、マイク、ヘッドフォン端子、XD/MMC/SDメモリーカード/メモリースティック/メモリースティックPRO対応のカードリーダー、さらにExpressCardスロットもある。なお、MSIのスペック表には「Express Card 54/34」と記載されているが、実際に試してみると、Express Card /54は入らない。
右側面にあるUSB 2.0の位置が、ユーザーから見て手前ギリギリになる。この配置では、マウスを接続した場合、ケーブルがマウス操作のジャマになる。背面にあるUSBに接続して本体右にマウス本体を置いた場合も、延びたケーブルが右側面のDVDスーパーマルチドライブの出し入れで引っかかる。これは少々気になるところだ。
バリュークラスのモデルにもかかわらず、HDMIが装備されているのは便利だ。HDMI装備の大型テレビでプレゼンテーションをしたり、サブディスプレイを接続する場合などに利用できる。このほか、CR500のディスプレイ上部には130万画素のWebカメラも搭載されている。
メモリスロットやHDDベイには、底面のネジを4本外すとアクセスできる。メモリは標準で2GバイトのDDR2-800モジュールが搭載されており、空きスロットは1基ある。HDDはネジ2本を外すと、取り付け金具ごと本体から取り外せる。どちらも増設、換装作業が容易だ。
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