GeForceとRadeonで頂点を狙え!──幹部が語るMSI「Big Bang-Fuzion」と「Lucid Hydra」(1/3 ページ)

» 2010年01月12日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
Big Bangシリーズ第2弾となる「Big Bang-Fuzion」

 MSIの「Big Bang」シリーズマザーボードは、Intel P55 Expressチップセットを搭載したエンスージアスト向けのラインアップだ。第1弾として2009年の末に、nForce 200を搭載して3-way SLIに対応した「Big Bang-Trinergy」が登場している。今回の説明会では、その第2弾となる「Big Bang-Fuzion」が紹介された。販売開始は1月16日の予定で、実売予想価格は3万9800円前後の見込みだ。

 Big Bang-Fuzionは機能面、品質面ではBig Bang-Trinergyに準じている。PCI Express x16スロットを3基搭載しており、Big Bang-TrinergyのnForce 200がLucid Hydraに置き換わったモデルといえる。全部で12ポートのSerial ATA/eSATAや、オーバークロック機能の「OC Genie」や「OC Dashboard」を実装し、高品質オーディオカード「Quantum Wave Audio Card」が標準で付属するなど、数多くの付加機能を導入しているが、この中でMSIが特に訴求するのが「Lucid Hydra」と「Hi-c Cap」だ。

ロードバランサーとしても働くLucid Hydra

 Lucid Hydraは、GeForceシリーズとRadeonシリーズといった異なるチップベンダーのGPUを同じマザーボードに組み込んで、双方のGPUを利用して3D描画性能を向上できるのが特徴だ。これまで、RadeonシリーズであればCrossFireX、GeForceシリーズであればSLIと、マルチGPU技術は、同じシリーズのGPUを搭載したグラフィックスカードを用いなければ利用できなかった。しかし、Lucid Hydraでは、RadeonとGeForce、ハイエンドGPUとローエンドGPUといった組み合わせで利用可能となる。

これまで、Radeonのみ、もしくは、GeForceのみで構成していたマルチGPUだが(写真=左)、Big Bang-FuzionではGeForceとRadeonを組み合わせたマルチGPU環境も構築できる(写真=右)

 説明会では、LUCIDLOGiX Technology R&D部門上級副社長のデビット・ベルツ氏が、Lucid Hydraに関して解説した。それによると、Hydraには「N-Mode」(その1)、「N-Mode」(その2)、「A-Mode」(その1)、「A-Mode」(その2)、「X-Mode」といった5つの動作モードが用意されているという。「N-Mode」(その1)はNVIDIA製の同一GPUでマルチGPUを構成し、N-Mode(その2)ではNVIDIA製で型番が異なるGPU、例えば、ハイエンドモデルとローエンドモデルのような性能の異なるGPUでマルチGPUを構成できる。「A-Mode」(その1)と「A-Mode」(その2)はAMD製GPUでそれぞれ同様の構成が可能だ。

 最後の「X-Mode」が最も注目される、マルチベンダーGPUの組み合わせに対応したモードだ。説明会の会場に用意されたデモマシンでは、プライマリにGeForce GTX 275、セカンダリにRadeon HD 5850を搭載したX-Modeの構成で、Futuremarkの3DMarkが実行されていたが、動作はなめらかで、動作中に色味が入れ替わることもなかった。

デモマシンで3DMark06の実行画面を確認する限り、スムーズにレンダリングされている(写真=左)。デモマシンのグラフィックスカード構成はN275GTX LightningとR5850-PM2D1Gだった(写真=中央)。MSIが行った測定では、GeForce GTX 285とRadeon HD 4890の組み合わせで性能が向上したケースも紹介された(写真=右)

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