ソニーの「VAIO S」シリーズは、13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載したノートPCだ。2010年1月に発表された2010年春モデルは外観と内部の両方に手を入れられ、2009年秋冬モデルの「VAIO S(SR)」シリーズ(以下、VAIO SR)と比較すると大きな変身を遂げている。
外観上の違いは、ボディサイズと液晶ディスプレイだ。VAIO SRは1280×800ドット/アスペクト比16:10の13.3型ワイド液晶を採用していたが、今回のVAIO Sは家庭用テレビやAV志向のPCで主流となりつつあるアスペクト比16:9(解像度は1366×768ドット)の13.3型ワイド液晶(LEDバックライトと低反射コート付きのグレアパネルを採用)に刷新。これにともない、ボディサイズがやや変化している。
内部については、Nehalemアーキテクチャをベースにグラフィックスコアの自動オーバークロック機能“Intel HD Graphics with Dynamic Frequency”を追加した新世代ノートPC向けプラットフォーム「Calpella」を採用し、パフォーマンスの向上が図られた。
では、外観を詳しく見ていこう。VAIO Sは、VAIO SRと同様にVAIOシリーズ共通の丸みを帯びたシリンダーフォルムを引き続き採用するため、ディスプレイを閉じた状態だと、ぱっと見の印象はVAIO SRとさほど変わらない。ただ、ボディサイズはVAIO SRの315(幅)×233.8(奥行き)×24.9〜34(高さ)ミリから、329(幅)×228.5(奥行き)×27.6〜31.5(高さ)ミリと幅が若干広がり、対して奥行きはコンパクトになった。重量はVAIO SRの約1.95キロから約1.89キロと微減している。
店頭モデル「VPCS119FJ/B」のボディカラーは、ブラックの1色のみだ。天板から液晶ベゼル、キーボード、パームレストに至るまで全面につや消し加工が施され、ビジネスの場でもふさわしい、落ち着いた印象を受ける。色味もいかにもビジネスPC然としたチープな黒ではなく、灰色がかったやや鈍い色調の黒が使われている。
一方、直販サイト「ソニースタイル」で販売するVAIOオーナーメードモデルと法人向けカスタマイズモデルは、ピンク、シルバー、ホワイト、グリーン、ブラック/シルバー(天版:ブラック、パームレスト:シルバーのツートーン)も加えた全6種類のカラーバリエーションを用意する。シルバーやゴールド、チタングレーといった、どちらかというと男性的なイメージのカラーが中心だったVAIO SRと比較すると、VAIO Sの春らしい色合いは女性ユーザーにも人気を博しそうだ。特にピンクは天板や液晶フレームだけでなく、ほかのボディカラーではシルバーとなるパームレストまでピンクで統一されているため、甘くなりすぎない、洗練されたかわいらしさが目を引く。ピンクは女性向けの色と思われがちだが(そして実際そのとおりだが)、実は男性からも根強い支持を得る色でもある。おしゃれなプライベート用モバイルPCを探している向きに強力にプッシュしたい。
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