MSIブースで「Sketch Bookのコンセプト」を知るCOMPUTEX TAIPEI 2010(3/3 ページ)

» 2010年06月01日 19時46分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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なぜ、AMDとiZ3Dの立体視技術を選んだのか?

 液晶一体型PC(AIO)で立体視表示に対応した「AE2420 3D」では、MSIの資料で紹介された「3D Station technology」と立体視技術にNVIDIAではなくAMDを選んだ理由について説明があった。AE2420 3Dの立体視技術は、AMDのRadeonシリーズとiZ3Dの「3D Stereoscopic Driver」によるシャッター式がベースになっている。しかし、立体視対応サングラスはAMDと台湾ベンダーの「CMO」が協同で開発しており、MSIがAMDとiZ3Dの立体視技術とCMOの立体視対応サングラスを同社のAIOに最適化して実装させた。それぞれのベンダーが開発した技術をPCに統合する部分を指して、MSIは「独自の3D Station Technology」と呼んでいる。

 すでに、多くの製品に採用されて先行するNVIDIAの3DVisoinでなく、AMDとiZ3Dがベースの立体視技術を採用した理由についてMSIは、「もともと、AIOにはコストパフォーマンスを重視してMobility Radeonシリーズを採用している。加えて、NVIDIAの3DVisionより画質が高く、ドライバのサポートもいい」と述べたのに加えて、「NVIDIAの3DVisonでは、GPUからサングラスまでNVIDIAの製品を使わなければならない。MSIとしては、GPUとサングラスの組み合わせを自由に選びたかったので、その可能性を残しているAMDの技術を採用した」と説明した。

マルチタッチも可能な立体視対応AIOの「AE2420 3G」は(写真=左)、AMDとiZ3D、CMOといった複数のベンダーが開発した立体視技術をAIOで利用できるように統合した(写真=右)

MSIが開発を進める“次世代”UI

 MSIのブースでは研究開発部門で進めているプロジェクトも紹介されている。その中の1つが、ユーザーのアクションで離れたPCを操作するマンマシンインタフェースだ。これは、PCに設置したカメラでユーザーの腕の動きを識別してPCの操作を行うものだ。ユニークなのは、2台のカメラを利用して距離を認識し、特定の距離で行われた腕の動きだけを検知して、ユーザー以外の動きを無視する仕組みを取り入れたところだ。

 開発担当者は、「あと3〜4カ月である程度の成果を出して、2010年にはこの技術を導入したノートPC、もしくは、AIOをリリースしたい」と述べている。

カメラで認識したユーザーの動作で離れたPCを操作するマンマシンインタフェースの開発では、2台のカメラを用いて特定の距離にある動きだけを抽出する技術を取り入れている(写真=左)。現在、左右の手を組み合わせて4つの動きを識別した操作が可能になっている(写真=右)

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