メインステージでは、Intel本社副社長のスティーブ・ダルマン氏のスピーチや英漢字書道家の國重友美氏の書初めライブなどが行われたオープニングセッションを皮切りに、トムソン・カノープスやカプコンなどの協賛メーカーによる自社ソフトとSandy Bridgeを掛け合わせたプレゼンが次々と行われた。内蔵GPUの性能や実用性をフィーチャーした内容が多く、具体的なメリットを探るべく熱心に耳を傾ける観衆がみられた。
協賛メーカーのセッションでは、マイクロソフトの次世代ブラウザ「Internet Explorer 9(Bata)」のプレゼンが観衆の多さで目立っていた。登壇した同社の溝口氏は実証データを交えて「IE9はJavaScriptの表示がIE8と比べて17倍、乱暴にいえばIE6や7と比べれば100倍近く早くなっています」とアピール。続いて、HTML5上の演算デモを実行し、Google Chromeとほぼ同じ速度で処理できることを伝えた。
また、ここでもSandy Bridgeの内蔵GPUの性能にスポットを当てており、同氏は「IE9はブラウザのグラフィック処理がすべてGPUで行えるようになっています。Sandy Bridgeとあわせて使えば、ブラウザ上で非常にリッチなグラフィック表現が楽しめますよ」と語って、セッションを締めくくった。
そしてイベント中、最も人口密度が高まったのはインテル天野氏のセッションだ。前述のP67とH67マザーの特性の違いを含めて、Sandy Bridgeと対応チップセットを丁寧に解説し、予定を押す長めのセッションとなった。また、基本の説明に加えて、「これまでは外付けグラフィックスを使うとオンボードやCPU内蔵GPUが使えなくなりましたが、Windows 7は複数のGPUをハンドリングできます。インテルのマザーの場合はBIOSメニューで、どちらも有効にしたりできますよ」といった実用的な情報も。さらに「P67とH67で『機能をなんで分けるんだ!』とお叱りも受けました。すいません。でも、そのうち全部載せのチップセットも出します」と新情報も織り交ぜるなど、最後まで飽きさせない語り口で観衆の集中力を切らせなかった。同時に、観衆のSandy Bridgeに対する関心も高く、質問受付時間には普段よりも圧倒的に多い手が挙げられた。
質問に1つ1つ答えてステージから降りた天野氏に、P67とH67の全部のせチップセットの登場時期をたずねたところ「年内発売もなくはない、とだけいっておきましょう」と笑う。また、昨年に同氏が中止を提案していたSandy Bridgeの深夜販売の様子は、ネットのライブ中継で見守っていたとのことで、「もう本当、みなさん寒い中ご苦労さまでした。すごく盛況で、ありがとうございます」と各ショップのスタッフをねぎらっていた。
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