「被災地で7割減なれど日本全体で軽微なり」──BCNが分析する“震災インパクト”その話は信じていいのですね(2/3 ページ)

» 2011年04月07日 20時21分 公開
[長浜和也,ITmedia]

震災とは関係なく小型シフトを進める薄型テレビ

 薄型テレビでは、エコポイント終了前の駆け込み需要が震災で抑制されたが、それでも3月末には北海道と東北、関東以外で前年同月と同じ販売台数に達した。薄型テレビは、2010年11月の駆け込み需要以降、台数も金額も前年同月比を下回るが、30型未満の小型モデルは前年度を上回る傾向にある。

薄型テレビは、3月に期待されたエコポイント駆け込み需要が低調だったが、全体として堅調な実績を残した(写真=左)。しかし、販売台数は前年同月を維持したものの、単価の下落で売り上げ金額は前年同月を下回る(写真=中央)。単価の下落とともに30型未満モデルへの需要シフトも影響している(写真=右)

レコーダーは2011年3月でも前年同月を上回る台数が販売された。しかし、こちらも単価の下落で売り上げ金額は前年同月を下回っている(写真=左)。単価下落の大きな原因がBDXLモデルの低価格化だ(写真=中央)。構成が7割と“特別な存在”でなくなったBDXLモデルで価格競争力が進んだ結果といえる(写真=右)

震災の影響を大きく受けたコンパクトデジカメ

 デジタルカメラも震災の影響を大きく受けており、3月後半は回復基調にあるが、そのペースが鈍い。道越氏は、この理由について、デジタルカメラが利用する場面が「ハレの日」であることが影響しているのではないかという。

 レンズ一体型モデルでは、震災前から売り上げ金額が前年同月を下回っていたが、2011年3月は、2011年1月と2月で好調だった販売台数も前年同月を下回っている。道越氏は、震災の影響以外に、画素数やズーム倍率など基本性能が充実して需要が一巡したことと、メーカー別の国内シェアで、キヤノン以外の有力メーカーが10%台で争っており、価格競争が激しくなっていることが、販売台数と売り上げ金額の減少に影響していると考えている。

 レンズ交換型モデルでは、2011年2月まで販売台数も売り上げ金額も前年同月を上回っていたが、2011年では売り上げ金額だけが前年同月を下回った。これは、レンズ交換型モデルの需要が依然として高く、震災とは関係なく2011年3月でも販売台数を伸ばしているもの、平均単価の下落が続いているためという。

レンズ一体型(コンパクトデジタルカメラ)モデルは、2011年3月で販売台数を大きく減らした(写真=左)。レンズ交換型モデルは、2011年2月までは販売台数も売り上げ金額も前年同月を上回っている。2011年3月も販売台数は伸ばしたが売り上げ金額だけが前年同月を下回ってしまった(写真=中央)。BCNの道越氏はシェアを伸ばしているミラーレスモデルに有力メーカーが参入したときに市場が活性化する可能性があると述べている(写真=右)

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