パッケージには、皮製の専用キャリングケース(Eee Slate Folio)と、Bluetooth接続のキーボードが付属している(マウスは付属しない)。
キャリングケースはシステム手帳タイプで、EP121専用のためにピッタリと収まり、本体周囲の端子類も隠さない工夫がされている。多少厚みは増すが、手に持ったときのホールド性はよく、持ちやすい。ただ、ケースに本体をセットした状態での重さは実測値で1.55キロとなるので、手で持って使うのは疲れる。ケースにはスタンド機能もあり、2段階に高さを変えられる横置き設置と縦置き設置が行えるのは便利だ。
Bluetoothキーボードは中央部のキーを大きめにとり、曲線的にキーを配置したコンフォートカーブキー配列を採用している。マイクロソフトが販売しているキーボード「Microsoft Bluetooth Mobile Keyboard 6000」からテンキーユニットを省いたもので、厚さ13ミリとスリムボディだ。Bluetooth接続なのでUSBポートなどを使用しない点はよいが、OSが起動するまで使えない点には注意したい。
基本システムは、インテルのモバイル向けCore i5を採用しているのがポイント。Sandy Bridgeこと第2世代Core iによるHurom Riverプラットフォームではなく、1世代前となるArrandaleのCore iを用いたCalpellaプラットフォームだが、iPadやAndroidタブレットを大幅に上回る性能を備えるのはもちろん、Atom搭載機が目立つWindowsピュアタブレットPCの中でもハイスペックな仕上がりだ。
CPUは超低電圧版Core i5-470UM(1.33GHz)を採用する。デュアルコアCPUだが、Hyper-Threadingへの対応により、4スレッドの同時実行が可能。Turbo Boostもサポートし、最大1.83GHzで動作する。TDP(熱設計電力)は18ワットだ。
Core i5-470UMは、グラフィックスコアとしてIntel HD Graphicsを統合している。3D描画性能はあまり高くないが、MPEG-2やVC-1、MPEG-4 AVC/H.264のハードウェアデコードを含むHD動画再生支援機能の搭載により、Blu-ray DiscタイトルやYouTube、ニコニコ動画などの映像コンテンツを低いCPU負荷で快適に視聴できる。
データストレージに64GバイトのSSDを標準で採用している点も特筆できる。SSDはデータアクセスの際にHDDのような機械動作がないため、一般にランダムアクセスに優れており、OSやアプリケーションの起動、操作の反応が速く、静音性にも優れている。動作中に衝撃や振動が加わってもクラッシュの心配が少ないことはモバイルデバイスとして有利だ。なお、試用したEP121はSSDにSanDiskの「P4」というモデルを採用していた。
チップセットはIntel HM55 Express、メモリは4Gバイト(PC3-6400 SO-DIMM)を搭載している。ボディ内部を確認できるようなカバーなどはなく、メモリやSSDへ簡単にアクセスする方法は用意されていない。
OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumをプリインストールしている。付属ソフトはシンプルな構成だが、ペイントツールの「ArtRage 3.0 Studio」や電子書籍ストアのBookLive!と連動したリーダーソフト「BookLive! Reader」といったタブレット向けのタイトルが含まれている。
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