1月にGeForce GTX 560 Tiを投入したNVIDIAは、3月後半にその下位モデルとなるGeForce GTX 550 Tiをリリースした。性能電力比を向上させたとNVIDIAが訴求したモデルで、CUDAコアは192基、テクスチャユニットが32基とGeForce GTS 450と同じく、動作クロックは、GeForce GTS 450が783MHzだったのに対し、GeForce GTX 550 Tiは900MHzと大きく引き上げられたのが少ない相違点となる。一方、グラフィックスメモリクロックは、902MHzから1026MHz(DDR転送レートで4104MHz相当)へと引き上げられ、メモリバス幅が128ビットから192ビットへとこちらも強化した。
ベンチマークテストの結果から見ると、GeForce GTX 550 Tiは、GeForce GTS 450とGeForce GTX 460の間のポジションにあり、3DMark 11と3DMark 06では、低画質低解像度条件でややGeForce GTX 460寄りだが、高画質高解像度条件になるとGeForce GTS 450寄りで、消費電力では、ピーク時の値がGeForce GTS 450に近く、GeForce GTX 460からは大きく消費電力減となったことから、性能電力比は向上したと評価できる。
4月には、Radeon HD 6000シリーズのミドルレンジ「Radeon HD 6790」が登場した。SIMDエンジンの数は10基、ストリームプロセッサの数は800基、テクスチャユニットが40基と、それぞれRadeon HD 6850より少なく、コアクロックが840MHzという仕様から導かれる理論上の性能は、Radeon HD 5770にやや劣るが、グラフィックスメモリクロックが1050MHz、メモリバス幅が256ビット、帯域はRadeon HD 5770の76.8Gバイト/秒に対して134.4Gバイト/秒と大幅に向上した。
ベンチマークテストで測定したRaden HD 6790のスコアは、3DMark 06ではRadeon HD 5770に近い一方で、3DMark VantageではRadeon HD 6850に近く、ゲームタイトルのベンチマークテスト全般を通してみれば、Radeon HD 6790の結果は、Radeon HD 5770より上でRadeon HD 6850より下の中間にあるが、グラフでは常に同じ間隔で並ぶのではなく、ゲームタイトルによって、どちらに寄る傾向が確認できた。
さらに、GeForce GTX 550 Tiとの比較では、ゲームタイトルのベンチマークテストにおいて、GeForce GTX 550 Tiに差をつけられて下回る一方で、3DMark系のベンチマークテストでは、GeForce GTX 550 Tiを上回った。
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