aigo Projector Cloudを購入すると、同社グループが運営するオンラインストレージサービス「ServersMan@Disk」の容量10Gバイトプランを3カ月無料で利用できる権利もついてくる(プレミアムパッケージは容量100Gバイトプランが1年間無料)。
ストレージサービスは、ServersMan@Diskのログイン画面に移行し、ログインして利用する。各ファイルを選択すると、ファイルに応じたビュワーが起動する仕組みで、ファイルをオンラインストレージにアップしておけば、本製品だけで会議の資料を参照し、プレゼンテーションもできる。
SoftMaker Officeなど、ファイルビュワーの動きは軽快だが、ファイルのダウンロードについては回線速度に依存するので、オンラインかオフラインか、シーンに応じて使い分けるとよいだろう。
また、VNC(Virtual Network Computing)を利用したリモートデスクトップ接続機能「Cloud Mirroring」もある。他の場所にあるPCの画面をネットワーク越しに本機で表示できるものだ。製品にはVNC Viewerのトライアル版(連続使用時間が60分という制限がある)をプリインストールしているので、PC側でReal VNCなどのサーバ側ソフトをダウンロードして設定すれば、画面共有やリモートコントロールができる。
aigo Projector Cloudの特徴であるオンラインストレージ連携や、リモートコントロール、Windows CE搭載という仕様が生きるのはビジネスシーンだが、PCとしてもプロジェクターとしても最小限の機能しか搭載していないため、営業先でのプレゼンなど本格的なビジネスシーンでは使いづらいかもしれない。
この製品の最大の魅力は気軽に持ち運べることにある。例えば出先で資料の確認をするときなど、オンラインストレージからデータを参照するだけならば、本体にデータは残らないため、セキュリティ面で安心して作業が行えるだろう。
このほかにも、社内で行う少人数(4〜6人程度)のミーティングで使えそうだ。小規模のミーティングでいちいち重いプロジェクターを使うのは面倒だと思う小規模のチームにおすすめする。全員で情報を共有する際に個々がPCを持ち合い、各自PCを見ながら議論するというのはよくある光景だが、それよりも壁などに投写された画面を見て議論をした方が、ミーティングの雰囲気は明るく、活発になるだろう。「個々人がPCやスマートフォンの画面をそれぞれ見るのではなく、複数人で画面を共有することで、リアル空間でのコミュニケーションを活発にする」というSocial Computerのコンセプトにもつながる。
コンシューマー向け用途としても、持ち運べるプロジェクターは意外に活用できたりする。友達同士で写真を共有したり、歓送迎会や結婚式などのイベントでちょっとした動画を流すのもいいだろう。
本製品は、価格は約5万円と決して安くはないが、持ち運べる小型プロジェクターとしては手が出しやすい値段で、OSや無線LANを搭載するというほかにはない特徴も備える。本格的な製品を買うというより、ビジネスシーンでも使えるちょっと面白いガジェットという感覚だ。気軽に使えるプロジェクターが欲しいなら、ぜひともチェックしてほしい。
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