この性能、美しさに死角はないのか?――新生「XPS 15」に魅了されるフルHD液晶にGeForce、16Gバイトメモリと何でもかんでも(2/3 ページ)

» 2012年07月05日 09時30分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

フルHDの高輝度液晶とバックライト付きキーボードを搭載

 液晶ディスプレイは15.6型ワイドのグレアタイプで、画面の解像度は1920×1080ドットに対応している。標準的な1366×768ドットと比較すると、約2倍解像度が高く、かなり精細な表示だが、Windows 7上のアイコンや文字が小さすぎて見にくいことはない。デフォルトではデスクトップのアイコン(大きさは中)が、正方10ミリ程度の大きさで表示される(dpiの設定は100%)。フルHDで収録されているコンテンツを本来の画質で視聴できるほか、Webページ、Wordファイル、PDFファイルなども2枚並べて無理なく閲覧でき、動画編集、画像加工などの作業も快適に行える。

photophoto 15.6型ワイド液晶ディスプレイは、解像度1920×1080ドットに対応する(写真=左)。ディスプレイは約135度まで開く(写真=右)

 輝度は約350カンデラ/平方メートル(公称値)で16段階の調整が可能だ。カラーバランスや階調性もよい。上下方向の視野角は狭いが、液晶ディスプレイは約135度まで開くので、画面の角度は合わせやすい。ただし、グレアタイプのパネルなので、照明や自分の顔が映り込むことが多い。

 キーボードはバックライトを搭載したアイソレーションタイプを採用している。各キートップは四隅にアールを付けた形状で、指がフィットしやすいよう、緩やかにくぼんでいる。上下のカーソルキーはキーが接しており、キートップが盛り上がった形状を採用した。キーストロークは約1.2ミリと浅めだが、キーの戻りがよく、確かな押下感もあるため、心地よくタイプできる。

 主要キーのキーピッチは縦横ともに19ミリと余裕があって押しやすいが、右端に配置されたキーの横方向のキーピッチが狭いのはXPS 15zと同様だ。特に、BackSpaceのキーサイズは9.5(横)×10(縦)ミリと小さく、慣れないうちは左隣のキーを押してしまうことが多かった。

 XPS 15zはキーボードの左右にスピーカーがあるという物理的な制約があったものの、XPS 15ではスピーカーを本体底面に移動しており、キーボードの左右にそれぞれ4センチほどの余裕があるので、キーボードのサイズをもう少し大きくしてほしかったところだ。

photophotophoto キーボードはアイソレーションタイプを採用しており(写真=左)、バックライトを搭載する(写真=中央)。XPS 15zのキーボード面。キーボードは銀色で、左右にスピーカーを配置している(写真=右)。XPS 15ではディスプレイ下のロゴを“DELL”から“XPS”に変更しており、XPSというブランドをより強調したデザインとなっている。電源ボタンの位置は左上に移動し、タッチパッドも大きくなった

 タッチパッドについては、左右のクリックボタンが一体となったことで、大きさが100(横)×72(縦)ミリと、XPS 15zよりも縦方向が20ミリほど広くなり、マルチタッチジェスチャーによる操作を行いやすくなった。XPS15では、3本指でのタッチ、スワイプ(進む/戻るなど)や4本指でのスワイプ(デスクトップの表示、ウィンドウの切り替え、フリップ3D起動などを設定可能)に対応する。

photo タッチパッドの設定画面(写真=左)。マルチタッチジェスチャーは3本指や4本指の操作にも対応する(写真=右)

データストレージはハイブリッド構成に

 XPS 15は、データストレージにHDDとISRT(Intel Smart Response Technology)によるキャッシュSSDのハイブリッド構成を採用したことで、早いレスポンスと比較的低コストでの大容量ストレージを両立した。評価機のHDD容量は500Gバイト(7200rpm)で、キャッシュ用SSDの容量は32Gバイトだ。ハイブリッド構成にしたことで、休止/スリープ状態からの高速復帰を行えるIRST(Intel Rapid Start Technology)を利用できる。

 それでは、ハイブリッドストレージでPCの起動はどれほど快適になるか。XPS 15の起動時間(電源ボタンを押してから、Windows 7のデスクトップが表示されるまで)、休止状態への移行時間/復帰時間(電源ボタンを押して休止から復帰、ログイン画面の表示まで)をISRTを有効にした状態と、無効にした状態でそれぞれ計測した。

photo XPS 15の起動時間、休止状態への移行時間/復帰時間、スリープ状態への移行時間/復帰時間を計測した結果

 結果は、ISRT有効時の起動時間(コールドスタート)が約34秒、休止状態への移行は約23秒、休止状態からの復帰は約21秒となった。ISRT無効時の起動時間が約43秒、休止状態への移行は約34秒、休止状態からの復帰は約31秒となった。いずれの場合もISRT有効時の方が10秒程度速い。起動時間はやや遅いと感じたものの、ISRT有効時のシャットダウンへの移行時間は約11秒、スリープからの復帰は約2秒とシャットダウン、スリープについては待たされる印象はない。

 外に持ち出して使うことが多いモバイルPCでは、起動/シャットダウン/スリープ、休止からの復帰時間は重要だが、15.6型ディスプレイ搭載ノートPCなど家の中で使うマシンにおいても、ディスプレイを開けばすぐに使えるという快適さは大事だ。急いでいるわけでなくとも、PCの起動時間やスリープからの復帰時間が長いとイライラすることはよくある。

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