総合評価コメント

　エンターテイメント性は全くといっていいほどないが、半面、ビジネスツールとして使うならば、さまざまな部分に配慮が行き届いた“より良き道具”として働いてくれる。添付ソフトウェアも、実際に仕事でモバイルPCを使うユーザーのことを考えたもの。マルチディスプレイ構成をワンタッチで切り替える「プレゼンテーション・ディレクター」は秀逸。光学ドライブを取り外せばほぼ2kgとなるため、その気になれば1台でデスクの上から出先まで、あらゆるフィールドでビジネスをサポートしてくれるはずだ。→レビュー本文

評価のポイント

標準装備のDVD-ROM & CD-R/RWコンボドライブ込みで約2.2kgの本機は、現世代の他社製品と比較すると最軽量ではない。しかしながら、薄くフラットな筐体デザインはビジネス向けバッグへの収まりが良く、フルサイズキーと14.1型画面を外に持ち出したいユーザーにとって扱いやすい。光学ドライブは取り外し可能で、ウェイトセーバーベゼルを取り付ければ約200g減量できる点も嬉しい。

Pentium M 1.5GHzとATI Mobility RADEON 7500のパワーは、本機がターゲットとするビジネスユーザーに十分なパフォーマンスを提供する。マルチメディア処理ではクロックの高いモバイルPentium 4-Mに一歩譲るが、それ以外の大部分の処理は非常に高速。毎秒5,400回転のHDD採用も、パフォーマンス面でのアドバンテージとなっている。

ドライブベイ上部の右端以外、つまりアルファベットキーの大部分はしっかりと高い剛性でキーボードが取り付けられており、タッチや配列の良さなどもあって操作性は良い。ポインティングデバイスの「UltraNav」はTrackPointとタッチパッドのハイブリッドだが、柔軟なカスタマイズが可能で、使い込めば自分の好みに合わせた設定を見つけることができるだろう。薄さを感じさせない堅牢な仕上がりも、ビジネスツールとして高く評価したい。

この薄さで光学ドライブ交換式は見事。パラレルポートの装備もUSBプリンタが普及していない地域へ出張するユーザーにはありがたい。PCカードスロットも2スロット装備し、Sビデオ出力まで備えている。最大メモリ容量2Gバイトというのも、このクラスでは最大。ドッキングステーションやポートリプリケータ、充電器など、豊富なオプション類も魅力。ただし、現状では、装着可能な光学ドライブがDVD-ROM & CD-R/RWコンボドライブしかない。

省電力性能は、このクラスで間違いなくトップクラス。14.1型の画面サイズを感じさせないぐらいバッテリは伸びる。利用環境にもよるが、4〜4.5時間程度はバッテリで駆動可能だ。オプションで容量1.5倍の大容量バッテリパック、標準の半分の容量があるドライブベイ装着のバッテリパックもある。

ベンダー製品担当者からの一言

「ThinkPad T40（2373-72J）」はインテルCentrinoテクノロジーを採用した、スリムで軽量なハイパフォーマンスA4サイズノートPCです。軽量薄型のボディーに14.1型の液晶、脱着可能なDVDまたはコンボドライブ、内蔵型HDDショックアブソーバー等を搭載して、携帯性とメインマシンとしての使いやすさを高次元で両立しています。（日本アイ・ビー・エム　PC製品事業部　後藤 史典）

スペック

[本田雅一, ITmedia]

関連リンク 日本アイ・ビー・エム ホームページ 日本アイ・ビー・エム 製品インデックス ThinkPad T40 2373-72J 製品情報 2スピンドルモバイルノートPC インデックス