> レビュー		2003年6月2日　09:00 PM 更新

速くて安い、キヤノンの実力派普及モデル
キヤノン　PIXUS 550i（3/3）

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　普通紙の出力スピードは、モノクロテキストが標準モードで1枚あたり7.48秒と、現在あるインクジェットプリンタではトップレベルのスピード。カラービジネス文書、地図サイトのWeb出力は共に約40秒で、この価格帯の製品としては速い方である。また、画質はやや粗くなるが、「はやいモード」で印字するとカラービジネス文書の出力スピードは1枚当たり約16秒に高速化する。

　専用紙（プロフォトペーパー）へのデジカメ写真の出力は、粒状感はあるものの、色みは自然で美しい。カラーチャートで原色の発色を見ても、どの色も偏りなく出ていることが分かる。どぎつくもなく、薄い色合いも自然で、記憶色がよく再現されている色合いだ。

　写真の出力スピードは、L版プロフォトペーパーにきれいモードでフチ有り出力する時間が約54秒。同じく、フチ有り出力する時間が1枚当たり約41秒で、このクラスの機種としてはトップクラスのスピード。

　このように、普通紙出力、写真出力共に、画質はそこそこでスピードが速いという結果。画質はハイエンド機にこそ劣るが、実用的にはデジカメ写真の出力やポストカード印字に十分使えるレベルで、普及機としては画質のスピードのバランスが非常にいい機種である（印刷速度結果を表示）。

• 人物写真

粒状感が目立ちシャープさに欠けるが、色合いは自然で美しい

• ペンギン

こちらもよく見ると粒状感が目立つ。ただし、色合いはどの色も自然だ

• 桜の写真

淡い色合いの写真では特に粒状感が目立つが、色合いは美しい

• カラーチャート

原色のカラーチャートを見ると、どの色も偏りのない発色をしているのがわかる

• カラービジネス文書の、ブラックと色つき文字のアップ

黒文字はがたつきもなく、シャープできれい。ただし、色文字はややがたつきが目立つが、実用レベル

普及モデルとしては非常にバランスのいい製品

　対応紙サイズはL版からA4サイズまでで、完全フチなし印刷にも対応している。動画を連続写真として出力する「Movie-PhotoPrint」や、プチなし写真をまとめて簡単に印字できる「Easy-PhotoPrint」など、ムービーや写真を楽しくプリントする付属ソフトも豊富。

　また、同社のWebサイトから無償ダウンロードできる「プチプリント for PIXUS」を使えば、プリクラ感覚のシールを出力できる。

　また、自宅で夜間使用する人にはうれしい「サイレントモード」も搭載されており、時間指定で夜間だけサイレントモードを使用するといった細やかな設定も可能だ。CD-Rダイレクトプリントといった上位機種に搭載されている機能はないが、普及機としては、画質、スピード、価格のバランスがよくとれた製品だ。

　価格は、実売で1万円台半ばと、リーズナブル。画質は上位機種に比べると劣るが、色みが自然でデジカメ写真の出力にも十分使えるだろう。動画や写真を楽しく出力するソフトも豊富で、1台目のプリンタとしてホームユースユーザーにお勧めできる製品である。

上位機種と同様に、デジタルカメラノイズリダクションやVIVIDフォトなど、特殊効果の設定も可能

サイレントモードをもち、夜間だけサイレント機能を仕様するといった細やかな設定も可能

付属ソフトが豊富でユニークなものも多い。これは動画を連続写真として出力する「Movie-PhotoPrint」。ぱらぱら写真を作って遊べる楽しいソフト

[田中裕子, ITmedia ]

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