> レビュー 2003年7月11日 03:36 PM 更新

SOTEC WinBook WL7150A――コストパフォーマンスと持続力に長けた2スピンドル(2/2)


前のページ

 メモリは標準で128Mバイト(WL7150A)、あるいは256Mバイト(WL7150C)である。BTOで内部の構成が選べるのは実質的にこの項目だけで、あとはUSB接続のFDDドライブのような追加オプションを足していくだけである。128Mバイトのメモリはオンボードで搭載されており、これに加え128Mバイト、256Mバイト、512Mバイトという3種類のDDR SDRAM SO-DIMMをメモリスロットに追加することができる(WL7150Cは128Mバイト増設済み)。このメモリは通常のSO-DIMMなので、自分で増設することも可能である(自己責任の範囲で)。


WL7150Cには最初から128MバイトのSO-DIMMが搭載されている。256Mバイトを超えるような増設を行うときにはこれを外さないとならないのがやや難か

 ハードディスクはUltra ATA 100の4200rpmで、WL7150Aが20Gバイト、WL7150Cが30Gバイトである。ドライブは内蔵タイプで、7150Aは24倍速のCD-ROM、7150CはCD-R/RWとDVD-ROMのコンボドライブを搭載している。

 グラフィックス機能はVIAの ProSavage KN266チップセットに内蔵されており、グラフィックスメモリはメインメモリと共有して8〜32Mバイトを割り当てる(設定によって変えられる)。

 ProSavage KN266チップセットのグラフィックスコアはS3のProSavage8を使用しているが、これはProSavage4の後継というべきもので、8という数字が示すように、チップセットのノースブリッジ内で×8のAGPで接続される。とはいえ、最新のグラフィックスチップなどに比べれば劣るのは当然だ。この種のノートPCのターゲットユーザーは、おそらく3Dゲームなどを重視はしないだろうから、それなりに整合性のあるチョイスではある。

 液晶ディスプレイは12.1インチで1024×768ドットのTFTカラー液晶。流行のクリアタイプの液晶ではないが、こちらのほうが長時間見続けるには疲れないという人もいるだろう。最近の液晶だから、視認性や視野角についてはとくに問題とするような点はなかった(ソーテックでもWL2130Cなどのモデルには“輝きシート”という何ともいえないネーミングの保護材でコートしたタイプの液晶もある)。

 外部とのインタフェースでは、USB2.0が3ポート、100M/10MbpsのEthernet、V.90対応56kFAX/モデム、TypeIIのPCカードスロット、メモリースティックスロット、アナログCRT出力がそれぞれ1つずつ付いている。豊富というわけではないが、必要なものはそろっているし、USB 2.0が3ポートあるのはなかなか便利だ。


前面にはサウンド出力とマイク入力、そしてボリュームがある


左からDC入力、CRT出力、Ethernet(LAN)、メモリスティック(上)、Type II PCカード(下)


USB 2.0のポートが三つある。その右にはDVDとCD-R/RWのコンボドライブ(WL7150AではCD-ROMドライブ)

 付属するドライブはWL7150AがCD-ROMのみ、WL7150CではCD-R/RW&DVD-ROMのいわゆるコンボドライブになる。最近ではデータ保存にCD-RやCD-RWを使用する機会も増えていて、DVD-Rにデータを焼いて渡したりすることもあるから、CD-ROMのみだとデータのやりとりの際に困る場面もあるかも知れない。ドライブについては、購入時にWL7150AかWL7150Cかを選んだ時点で決まってしまうので、用途をよく考えて選ぶようにした方がいい。

気軽に持ち運ぶには少々辛い

 このマシン、筐体の一部にマグネシウムを使うなど、一応軽量であることもウリになっている。軽量と言っても2キロ弱はあるので、それなりの重さはある。はるか昔に初代DynabookやPC-9801Noteを持ち歩いたことを考えれば軽いものさ、と思いこもうとしたが、やはり現代のノートPCとしてはすこしばかり重い。それでも2日ほどカバンに入れて持ち歩いてはみたのだが、頻繁に持ち歩くには最低でもあと500グラムは軽くないと辛いというのが結論だった。本体に比べるとACアダプタもややかさ張るように思う。

 普段はデスクに置いて使うか室内での持ち運び程度で、一生を左右するような重要なプレゼンテーションでもあるときには決死の覚悟で持っていく……というようなノートPCだと言えよう。

 なお、試用版であることからバッテリーのベンチマークを測定することはできなかったが、カタログスペックによればバッテリーの駆動時間は3.1〜3.6時間とある。さすがにCentrinoモバイルテクノロジ搭載のノートPCには及ばないが、上記のような使いかたを考えれば十分な数値である。

実際の使いごこちはどうか

 ベンチマークなどを測定することができなかったので、付属のアプリケーションやインターネットへの接続を試す程度しかできなかったが、使い勝手はなかなかよい。ネットへの接続も(昨今のPCではあたりまえだが)ルータに接続するだけでほとんど終わってしまう。

 付属のDVDプレーヤーによるDVDの視聴でも、とくにコマ落ちなどのストレスは感じなかった。CPUのスペック的には最新のものよりはるかに劣るはずだが、ノートPCと言うことを考えると、これまた十分なスペックである。まさかこのマシンでMPEGデータへのエンコードやレンダリングを行おうという無謀な人もいないだろう。

 キータッチはストロークがやや浅いものの、キーピッチが19.1ミリなので打ち間違うようなことはない。マウス操作はタッチパッドで行う。こちらは可もなく不可もなくごくごく普通のタッチパッドである。タッチパッドが嫌いな人はUSBポートが3ポートあるのでマウスを接続すればよいだけの話だ。

余計なものは要らないが少しは潤いも欲しい人に

 IT業界の端くれにいるような筆者でも、パソコン購入に関する相談はよく受ける。そのような相談をまとめてみれば「10万円以下でノートPCがいいなー」というものである。

 実にムシのいい要求なので、いままでだったら「夢を見るのは寝ている間だけにしてください」といってお引き取り願うところだったが、WL7150Aを見てしまうとあながち妄想とも言えなくなってくる。

 WL7150A/Cは、これだけの安さを実現しながら、実用一点張りのそっけない事務機械というわけでもなく、譲れない部分は安いなりにも頑張っている部分が多い。

 もし、次に「安いノートPCはないか」と相談を受けたら、WL7150Cを勧めてみようかと思う。10万円を少し出てしまうが、+128Mバイトメモリとコンボドライブ+ソフトウェアのメリットがある分、一般ウケするのはこちらだろう。

関連記事
▼ ソーテック、液晶一体型デスクトップ「Afina AS」など夏モデル発表

[河野寿, ITmedia ]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページ | 2/2 | 最初のページ


モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!