> 特集 2003年10月17日 08:50 PM 更新

VALUESTAR TX VX900/7Fの水冷システムを細かくチェック(2/2)


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 ラジエータ部分は、ケース外部に用意されているとはいえ、基本的には空冷方式である。そのため、効率よく冷却液を冷却するには、ラジエータの周囲にできる高熱の空気の層を取り除く必要がある。VX900/7Fでもラジエータの手前にファンが取り付けられており、強制的に風を送り込むようになっている。

 ただ、取り付けられているファンは、パソコンで一般的に利用されているような8センチサイズのものではなく、12センチという大型のものが採用されている。ファンのサイズが大きくなれば、同一回転数でも大きな風量が得られる。つまり、12センチという大型のファンを採用することによって、8センチファンを利用する場合と同じ風量を確保する場合でも、回転数を低くできる。

 ファンの騒音の主原因である風切り音や振動は、ファンの回転数が上がれば上がるほど大きくなる。つまり、12センチファンを利用して回転数を下げることによって、風切り音と振動が減り、騒音が低減されることになるのである。

 VX900/7Fでは、この12センチファンを電源ユニット部分に取り付け、電源ユニットの冷却とケース内の換気用としても利用する構造となっている。そのため、VX900/7Fに搭載されるファンは、この12センチファンと、グラフィックスカードの空冷ファンの2個のみである(下位モデルのVX100/7Fではグラフィックスカードにファンレス仕様のRADEON 9600SE搭載カードを採用しており、12センチファン1個のみとなっている)。この仕様は、前モデルと同じである。


電源ユニット

 ところで、採用されているグラフィックスカードは前モデルのGeForce4 Ti4800搭載カードからRADEON 9800 PRO搭載カードに変更されている。RADEON 9800 PRO搭載カードは、同レベルの描画能力を持つグラフィックスカードの中では、比較的騒音は少ないものの、それでもラジエータ冷却用の12センチファンよりも明らかにうるさく感じる。

 CPUだけでなくグラフィックスチップも水冷方式にすれば、より静音化を突き詰められたはずであり、この部分は少々残念ではあるが、それでもVX900/7Fで十分納得できるレベルの高い静音性が実現されていることは間違いない。


RADEON 9800 PRO

リビングルームに設置して24時間稼働させても騒音は気にならない

 これら2つのファン以外のVX900/7Fの騒音源としては、水冷システムで利用される冷却液を循環させるポンプの作動音、ハードディスクの作動音、光学式ドライブの動作音がある。

 ポンプの動作音は、耳を近づけるとジジジ……といった音がかろうじて聞こえる程度で、ケースを閉じてしまえば、全く気にならないレベルのものだ。またハードディスクには、家電製品向けとして開発された、シーク音を低減させた静音仕様のドライブを採用することで、動作音を低減。また光学式ドライブは、DVDビデオ再生時などに回転数を低下させるといった機能を搭載することで、動作音が気になるシーンでの静音化を実現。

 こういった細部にわたる静音設計によって、VX900/7Fでは、高負荷動作時でも30dBを若干上回る程度の騒音レベルを達成。静まりかえった部屋の中ではファンの音などが聞こえるものの、テレビが付いていたり、家族と会話しているような中では、ほとんど動作音が聞こえないレベルと考えていいだろう。

 VX900/7F及びWeb直販モデルのような、AVサーバマシンとして位置づけられているようなパソコンでは、電源を常に入れておかなければ、せっかくのサーバ機能も役に立たない。しかし、騒音のうるさいパソコンでは、常に電源を入れておくのは難しいし、せっかくAV機能が充実していても、リビングルームに置きたいとは思わない。しかし、VX900/7Fであれば、リビングルームに置くのはもとより、常に電源を入れたままにしておいたとしても、その騒音が気になることはほとんどないはずだ。

関連リンク
▼ VALUESTAR TX Web直販モデル
▼ NECのWebストア「121@store」

[平澤寿康, ITmedia ]

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