> レビュー 2003年10月31日 04:47 PM 更新

今年はやっぱ複合機でしょ――その1
CCD搭載の低価格なダイレクト印刷機「PIXUS MP370」(3/4)


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 4方向キーの上キーを押すごとに項目が進んでいき、拡大/縮小、用紙(サイズ/種類)、濃度、画質、おもしろコピー(レイアウトコピー)の順序でローテーションする。項目は後ろに戻ることはできないが、ヘッドメンテナンスなどをユーザーモードキーに割り当てたことで、メニュー全体の見通しは悪くない。液晶パネルは上下2行のモノクロ表示で、情報量はそれほど豊富ではないが、上記の設定項目の状態は一覧できる。

 メモリカードからのダイレクト印刷は、操作パネルのフォトプリントキーを押すだけで可能だ。スロットにメディアを挿入すると、保存されている画像枚数を自動的に取得してくる。

 設定操作はコピーモードと同じだが、4方向キーの上キーでローテーションする設定項目が違う。フチなし印刷や日付印刷、自動画質調整のVIVIDモードの有無などが増えるところが異なる。複数画像の印刷は、全コマと1コマ、範囲指定の3通りだ。任意の複数コマを印刷する場合は、デジカメ側のDPOF機能で設定するか、「フォトナビシート」を利用する。

 フォトナビシートとは、日本ヒューレット・パッカードの複合機ですでに実現されている機能だ。メモリカードの画像をインデックス印刷し、正式にプリントしたいコマや枚数、用紙とレイアウトなどを、インデックス用紙のマークシートを塗りつぶして設定する。


MP370のフォトナビシート

 その後、インデックス用紙をスキャンすることで、マークシートで設定した内容で画像が印刷されてくるという仕組みだ。A4のみ普通紙も選べるが、基本的に用紙種類はフォト用紙固定となり、設定可能な用紙サイズはL判/2L判/はがき全体/はがき半分/A4と豊富で、フチなし印刷の有無も設定できる。手軽で分かりやすく、設定の内容も必要十分なので、積極的に使いたい機能だ。

 プリントの画質だが、エンジンがエントリーモデル相当の4色印刷なので、上位モデルと比べるとそれなりの粒状感はある。とはいえ、粒状感を確認するために、わざと用紙に目を近づけて見れば分かる、という程度の話だ。手に持って普通に眺める分には、まったく気にならないと思う。実物は別ページに掲載しているので参照していただきたい。

 発色は記憶色重視の作りで、明るめのチューニングだ。コントラストが低めなこともあり、画像によってはシャドウが浮き気味になる。ただ、付属のプリントツール「Easy-PhotoPrint」を使って、自動画像補正をオンで印刷すると、コントラストが引き締まった見栄えのよい結果が得られる。普通紙へのWeb印刷やコピーの画質は、顔料系Bkインクの効用で、文字がシャープで読みやすい。

 PIXUS MP370は、かなりバランスよくまとまった複合機だ。欲を言えば、もう少し上位のプリントエンジンと、PIXUS 475PDのようなメディアダイレクト印刷やパソコンビューワの連携も欲しかったが、特に不満というほどではない。個性的な付加機能は持たないものの、実売価格も3万円以下と手頃で、スタンダード路線の複合機として広くおすすめできる。

 では最後にプリンタドライバのユーザビリティと、印刷物の画質、プリント時間について見ていこう。

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