> ニュース 2003年7月22日 11:51 PM 更新

Interview
松下 Let'snote W2 「省電力と軽量化では、まだまだ他社をリードしているという自負があります」(3/4)


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 「そうですね。60GバイトHDDにカスタマイズすると、バッテリー持続時間は短くなります。われわれの製品は2.5インチハードディスクを内蔵できますから、ユーザーが大容量か省電力化を自分で選べるわけです。大容量を選べば、おおよそ30分ほどバッテリー持続時間が短くなりますが、それを大容量化のトレードオフとして受け入れることができるかはユーザー次第です」

特殊な光学ドライブを組み込むアイデアは昨年からあった

 ご存知のように新製品のLet'snote W2は、DVD-ROM/CD-R/RWコンボドライブの駆動系とヘッド部だけを抜き出した特殊なコンポーネントを用い、ディスクのハウジングを自らの筐体が行うことで、光学ドライブ搭載で増える重量を最小限に抑えた。

 「このアイデアは、軽量化のために絞り出した苦肉の策、といったものではなく、最初からその線で行こうと考えていました。われわれはグループ会社が薄型光学ドライブで高いシェアを持っています。別会社とは言っても同一グループですから、協業はとてもスムースでしたよ」


Let'snote W2に搭載されたパナソニックコミュニケーションズ(旧九州松下系)製のコンボドライブのスケルトンモデル

 他社からも同時期にモバイル指向の強い製品が登場したが、かなりコンセプトが異なるように見える。他社はAVノートPCを携帯する楽しみや利便性を追求し、モバイルユーザーの裾野を広げるという意識を強く感じる。一方、W2は光学ドライブ内蔵でもビジネス指向が強い。

 「Let'snote Lightのコンセプトの一つに、仕事で使う道具として優れたものというものがあります。W2でもそれは同じ。同じ光学ドライブ内蔵モバイルPCといっても、向いている方向に違いはあります。しかし、各社が違いの真似をするのではなくて、違う方向を向いているというのは良いことですよね」

 W2ではセル数も6セルに増えた。無線LANでネットに接続しながらPCを使うといったシチュエーションを考えると、いくら省電力とは言っても4セルでは心許ない。そういう意味でも6セルになって、カタログスペックで7.5時間という数字を達成できたことは大きい。もちろん、6セル化の目的はDVD再生時間の延長という目的があったからなのだろうが、6セル化がモバイルユースでの使いやすさも増している。

 「映画を一本見終えることができるように6セルにしました。『タイタニック』の再生も中間輝度で完走しますよ。(Rシリーズ、Tシリーズの6セル化を問われて)今の時点ではコメントできませんが、検討すべき課題だとは思います。しかしこれだけ省電力なら、標準1本だけで使い、必要ならばもう1本予備を持ち歩く手もあるでしょう」

 実はR1、T1の時代には、バッテリー充電器が別途用意されていなかったため、2本目のバッテリーの管理がとてもやりにくかったが、R2、T2用にはバッテリー充電器が用意された。パナセンスから直接購入することができる。それならば、予備バッテリーでもいいか、という気はしてくる。むしろ毎日の通勤で持ち歩くユーザーには、6セル化で100グラム重くなるよりも、4セルのままであってほしいという人も多いのかもしれない。

Let'snote Lightの“顔”であるデザインは変えない

 さてLet'snote Light、個人的には注目してきたシリーズだが、いくつか気になっていた部分がある。せっかくの機会、多少失礼な部分もあったかもしれないが、非常に個人的な感想をぶつけてみた。

 まずはそのデザイン。丸形パッドにキーボードまで銀色に塗り、さらに凹凸の大きなボンネット構造筐体。ボンネット構造の筐体は、軽量化による筐体の薄型化と剛性確保を両立させるために不可欠とはいえ、細かなデザインの仕上がりには、強い違和感を感じる。もちろんこれは個人的な感想なのだが、同様の意見を持つビジネス指向のユーザーは(自分の周囲を見る限り)少なくない。

 「今までLet'snoteのデザインコンセプトとして、いろいろなものが登場しましたが、定着していません。今回は“パナソニックのLet'snoteはこれだ!”というアイデンティティが欲しかったというのが理由の一つ。また色に関しては、カラーバリエーションを増やしたいと考えていたため、どんな色にでも合うという意味でシルバー基調を選択しています」

 「街中でLet'snote Lightを使っている人がいたら、誰もが“あ!パナだ!”と気付いてくれる個性が欲しかったんですよ。また丸形パッドには、クルクル回すジョグダイヤルライクな操作性以外に、キータイプ時に手のひらがパッドに触れ、カーソルが飛んでしまうといったミスを防ぐ目的もあります」

[本田雅一, ITmedia ]

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