> ニュース 2003年10月17日 08:56 PM 更新

Adobe Creative Suiteは単体では100%ではない――Adobeインタビュー(2/3)


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 Photoshop CSは、ほとんどの作業が16ビット化されたことが、最大の目玉であることは言うまでもない。これにより、昨今の一眼レフデジカメや、ハイエンドスキャナなどから来る高ビットな元データを、きちんと受け止めることができるようになった。

 現在8ビットで記録されている画像ファイルでも16ビットに変換することができるそうなので、16ビットに変換した上で各種レタッチ作業を行えば、よりクオリティアップが可能となると思われる。

 ちなみにエンジン統合化の利点はここにも現れる。すなわち、CS製品すべてが、16ビット画像を扱えるようになるわけだ。


Photoshop CSのヒストグラム編集。RGB3色別々に表示可能になり、編集後のヒストグラム状態をプレビューできるようになった

 Illustrator CSについては、実はそれほどの機能アップがされていないことは、Adobeも非公式ながら認めている。目玉は別のところにある。それは、パフォーマンスの大幅な向上だ。起動時間やレスポンスなど、ベースになる部分に相当手が加わったという。ただ、これこそ実際にレビューしてみない限り、なんとも言えない部分ではあろう。


Illustrator CSで3Dアイテムをハンドリングしているようす

 GoLive CSは、InDesign CSとAcrobatとの連携部分が強化された。コンテンツの移植作業や、PDF直接編集といったところだ。


GoLive CSではPDF編集も充実した

インストーラーとアクティベーション

 さて統合スイートとしてのAdobe Creative Suiteでは、インストーラーも統合され、一つになった。統合されたインストーラーで、インストールしたいソフトを選ぶことになる。シリアル番号も1個である。ちなみに、CDは2枚組みとなっており、途中でCDを入れ替えるようアラートが出る。


Windows版のインストーラー

 アクティベーションにおけるAdobeの基本姿勢については既報の通りだ。単体製品としてはWindows版のPhotoshop CSに、スイートとしても、Windows版のAdobe Creative Suite(Premium/Standard)に組み込まれる。

 ちなみにMac版にアクティベーションが導入されなかったのは、“単純に作業的に間に合わなかった”というのがAdobeの公式見解。ワールドワイドの販売ベースでは、今回CS化された製品の65%がいまだにMac版であるため、影響の大きさを考慮したのかと勘ぐっていたのだが、その真偽のほどは不明だ。よって「次期バージョンアップ時にはMac版でも必ずアクティベーションを導入する」(プロダクトマネジメント・ディレクターのマーク・ヒルトン氏)という話である。


プロダクトマネジメント・ディレクターのマーク・ヒルトン氏

Adobeのマーケティングは正しかったのか?

 結局のところ、今回の主要製品群の再編成は、ユーザーにとってもAdobeにとっても、巨大なインパクトとなったのは事実だろう。ここまではAdobeとその製品にとってのインパクトを解説してきたが、ユーザーにとってもそれは同じで、さまざまな「解釈」が生まれると思われるほど、大きな変化となっている。

[大出裕之, ITmedia ]

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