> コラム 2003年11月28日 07:57 PM 更新

「VAIO P」に見る、PCのオスとメス(1/3)

PCにも性別がある。よく見るとニューハーフだったりするかもしれない。デスクトップの新しいあり方を示唆する「VAIO P」。

 ところであなたは、いま目の前にあるPC、そう、それね。そいつがオスかメスか考えたことがあるだろうか。まーたバカなこと言い出してコイツ、と思われるかもしれない。だが世の中に存在する「モノ」は、男が使うか女が使うかによって、なんとなく雌雄があるということにならないだろうか。

 例えば電気ポットとかアイロンとかって、もちろん男も使うのであるが、どっちかと言えばメスっぽい。これは使用シーンに母的イメージがあるせいで、そう思うのかもしれない。男も女も必要なものとしては、腕時計なんかは割とオスメスはっきりしているものの代表だ。

 そんな視点でPCを眺めてみると、やっぱりこれはオスっぽいのではないか。マシン名が「でじこにょ」だから、うちのはメスと言い張る人もいないでもないと思うが、そういう方と筆者との間には決して埋まることのない深い深ーい溝があると思われるので、そこには触れないでおく。

 さて、今週末にも発売開始となる、ソニー「VAIO」シリーズ 2003年秋モデル第2弾製品に、「VAIO 505 Extreme」と「VAIO P」がある。505 ExtremeはPC系メディアでもさかんにレビューされているので、ご存じの方も多いはずだが、あれはガツッとオスを感じさせる。ピンストライプのスーツでバリッとキメた男に持たせて、下からアオリで撮りたいってイメージだ。

 一方PC系メディアでは、なーんか冷たい扱いというか、あーそーなのまたそんなの出してどーなのー、みたいな扱いをされがちなのがVAIO Pである。しかしこのマシン、実は一般誌や経済誌では非常に注目度が高いのである。

史上初、PCの「メス」

 おそらく既存PCユーザーからは何の反応も引き出せそうもないVAIO P、この製品コンセプトを勝手に名付けるならば、「お片付け上手PC」である。開いたときはまるっきり普通のデスクトップPCに見えるが、たためば平たくなって、狭い隙間に収納できる。そんなことから考えるに、もしかしてVAIO Pというのは、PCには珍しい「メス」なんじゃないかと思うのである。


開けば普通のデスクトップPCだが...


折りたためば薄くなって片づけられる

 従来にも「VAIO W」では、キーボードが折りたためてコンパクトになった。「VAIO V」では、ワイヤレスキーボードとマウスを採用して、パーツごとに片づけられるようにした。しかし今までは、本体のほうは目の前にあってなんらかの役目を果たすもの、という主張があったのだ。すなわちVAIO Wではラジカセ代わりになりますよ、VAIO VではTV代わりになりますよ、という主張だ。しかし今回のVAIO Pのように、本体も片付ける、すなわち視界から消してしまうことを考えたPCは、今までになかった。

 もちろん従来から大型ノートPCを、家の中でそのように使っているということは十分考えられる。だいたいだな、「VAIO GR」のような超大型機を常時持ち歩いているというケースは、筆者には信じられない。以前、ある書籍にかかりっきりになったときに、VAIO GRをバッグに入れて宿泊先のホテルまで担いだことがあるが、トータルでもう肩を脱臼するかというほどの重さになった。つまりVAIO GRクラスの大型ノート機は、家の中で使うか、オフィスから持ち出さないマシンなのだ。

 「持ち歩かないノートPCのユーザー」という層は、確実に存在する。そしてそこがVAIO Pのターゲットなのであり、言ってしまえば今までA4超サイズのノートPCを家だけで使っているというユーザー層を、ことごとく食ってしまう要素を持っているのである。

[小寺信良, ITmedia ]

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