Streaming Now！〜流れをつかめ！
第3回：街に広がるブロードバンドとストリーミングの微妙な関係（2/2）

モスバーガーでのストリーミング結果……周りがウルサイ（笑）

　で，そういったクオリティの問題はこの際，どうでもいい。問題は，「モスバーガーでストリーミング見るの？」「見るとすれば，どんなのを見るの？」という話だろう。　私の場合，記事を作る手前もあってストリーミング再生してみたのだが，まず，特に渋谷ではウルサくて音が聞こえない（笑）。それに，あの空間に入って1人でニヤニヤしながらストリーミングを見てるヤツは，相当アブナい（笑）。で，そうやってノートパソコンを持ち込んでまで見たいと思うコンテンツもなかった。

　ついでに言うと，ブロードバンドということで，Flashを使ったインタフェースが採用されているワケだが，外出先で情報収集したいという時に，果たして時間をかけてアニメーションされるということが，楽しいことなのだろうか？

　私は手早く見たいと思う人が多いと想像しているし，客の回転を考えても，あまり大仰なコンテンツは要らないのではないかと思うのだ。

外でブロードバンドを使いたいヤツは誰だ？（私だ）

　では，どんなコンテンツが要求されているのかを考えるために，まず，「外出先でまでブロードバンドを使いたいというのはどういう人なのか」を考えてみよう。ウーム，いくら考えてみても

1. 何らかの仕事でインターネットを使いたい人〜主にメールや情報収集のためのWebページを見る。あるいはバイナリをアップロードしたり，ダウンロードするのに使う
2. チャットでナンパしたい人〜主に決まったサイトをチェックする

の2種類しか思い付かない……。いずれの場合も，特別なコンテンツを必要とせず，自宅と同じように快適な空間で，通信料を払わずにアクセスしたいというだけの人である。

　以前も書いたが（7月17日の記事を参照），そういう人にとっては，「常時」ということがまず重要なのであって，回線はそれほど太くなくてもいいかもしれない。で，恐らくはノンビリと検索するのではなく，目的があって，一刻も早く作業をしたいのではないだろうか？

　そう考えると，余計なオリジナルコンテンツというのは全く必要ない。そのコストがあったら，PCを使うための電源コンセントを解放してもらったほうがよっぽど嬉しいのではないだろうか？　ただ，そうすると客の回転が鈍るから，お金をとればよい。私はそのためにお金を払ってもよい。

　しかしながら，「わざわざここに来て見る価値のある情報を提供できる」というのであれば，話は別だ。秘密の場所のストリーミングとか，今日のバーゲン情報とか……。あるいは，ここでだけしかできないビデオチャットがあるというのでもいい。そういった「外出先で楽しめる魅力的なコンテンツ」を考えるということは，この先に控えている「携帯電話を使ったストリーミング」のコンテンツを考えるために，極めて重要なヒントになるのではないだろうか？

　断っておくが，私はこのサービス自体はかなり評価している。PCを持ち込んで使える常時接続環境というのは，すごくありがたい。この先，あらゆるハンバーガーショップ，あらゆるコーヒーショップ，あらゆるファミリーレストランに展開していってほしいと切に願うのである。その中で，サービス提供事業者，店，客と，皆がハッピーになれるような仕組みやコンテンツが提供されていけばいいなと，切に願っているのである。

P.S.
　回線速度だが，私が行った2カ所については，いずれも800Kbps程度は出ているようで，家のADSLより快適であった。

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