ニュース 2002年11月8日 11:17 PM 更新

ブロードバンド=映像配信ではない 〜NTT-BB

ブロードバンドだからといって、むやみに“高画質なリッチコンテンツ”を配信しようとするのは間違いだ。NTT-BBの白川社長は、そう語る

 NTTの地域IP網を利用して、ビットレート1Mbps以上の高画質映像配信を手がけるNTTブロードバンドイニシアティブ(NTT-BB)。しかし、同社の白川英俊社長は「ブロードバンドといえば高画質な映像コンテンツ配信だ、というのは表層的理解」と話す。

 11月8日の「Value Innovation 2002」では、NTT-BBの白川社長が登場。同社の方針を明らかにした。


NTT-BBの白川社長。「設立から日が浅く、企業として紹介するような実績がない。今日は、コンセプチュアルな話をしたい」

 白川氏は「これは私見だが」と断った上で、とこれまでブロードバンドは機能的側面から、「なんとなく映画、テレビ番組といった映像コンテンツを送受信できる、と意識されてきた」と話す。

 しかし、「現在主流のリッチコンテンツ配信のみでは、生活に密着した“お金をはらってでも”と思わせるサービスになりにくい」(同)。著作権の問題(記事参照)など課題も多く、各社ともマスマーケットをターゲットとしたコンテンツ配信では、必ずしも成功していないと指摘した。

 同氏はむしろ、常時接続環境での双方向性にブロードバンドの可能性を求める。

 例えば、ユーザーはテレビ電話により相手の顔を見て、現場の雰囲気を把握できる。このため、ユーザーは“場”を共有して、そこでリアルとバーチャルを融合させたコミュニティを形成できるとした。「ブロードバンドの本質は、映像によって伝わるリアル感にある」(同)。

 同氏はここから、NTT-BBの方針はマーケットプレイスとしての場を提供することだとコメント。コンテンツ、コミュニケーション、コマース、コマーシャル機能を備えたコミュニティ(4C+1C)を、同社の提供する様々なサービスパッケージによって発展させたいとした。

 具体例として挙げられたのは、語学学校サービス、医療相談サービス、生保代理店向け研修サービス、百貨店向けビジュアルコールセンターサービス、ファンクラブ交流サービス、ペットモニターサービスなど。企業向け、個人向けを問わず、さまざまなサービスを想定しているようだ。


会場では、NTT-BBのテレビ電話会議システムが全国地区医師会による遠隔会議に利用されたと紹介された

 同氏は、「あまり売上げにつながっていないコンテンツビジネスでも、特定のコミュニティに目的を持ってはめ込む(カスタマイズして利用してもらう)と上手くいく」とコメント。コミュニティ形成を想定した上で、ブロードバンド事業を展開していく考えを示した。

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[杉浦正武, ITmedia]

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