ニュース 2002年12月11日 10:00 PM 更新

総務省、NTTの東西同一料金を“不認可”

総務省は、NTT東西の接続料改定申請を不認可とした。東西で同一の料金設定を行っている点などが問題視された

 総務省は12月11日、NTT東西地域会社から申請された接続料改定の変更案を不認可とした。NTT東西が同一の料金設定を行っている点などが問題視された。

 変更案は、今月6日にNTT東西から申請されていた(記事参照)。しかし総務省は、これを不認可処分としたい旨を情報通信審議会に諮問。同審議会から「認可しないことが適当」との答申を得て、同日不認可処分を行った。答申の内容は現在総務省のホームページ上で公開されている。

 答申では、認可しない理由として2つが挙げられた。1点目は、NTT東西が異なる事業者でありながら、同一の料金設定を行っていること。平成13年度までは特定費用負担金制度(記事参照)が存在し、NTT東日本が西日本に対して費用負担を行っていたため、「同額に設定されることはやむを得ない」(総務省)という事情もあった。しかし、制度が廃止された平成14年度以降は、一部の例外を除いて「それぞれの原価に基づき接続料を算定することが適当」(同)であるとしている。

 2点目は、申請の中で“自己資本利益率”の扱い方に問題があったこと。自己資本利益率とは、自己資本に対する利益額の割合で、接続料の適正な算定には過去5年間の平均自己資本比率が用いられる。しかし申請では、自己資本利益率の数値がマイナスとなる年度を除外して、接続料を算定していた。答申はこれを、適当でないと指摘している。

東西でADSL料金に格差も?

 仮に、東日本地域と西日本地域で異なった接続料が設定されるようなら、ユーザーの利用料金にも影響がある。現状、ADSL事業者は自社サービス料金に、「NTT回線使用料」(タイプIの場合で173円)を上乗せして料金を請求している。この回線使用料が変わると、当然エンドユーザーが支払う最終的なADSL利用料金も変わってくる。

 今回の接続料改定では直接の対象となっていないが、加入者電話の接続料に関しても同様の議論がある(記事参照)。この場合、東日本で大幅に接続料が下がり、逆に西日本では接続料が上がるという試算が出ている。今後この件がどう推移するか、気になるところだ。

 なお、NTT東日本は11日、公式コメントを発表した。情報通信審議会が変更案を認めなかったことを「誠に遺憾」として、「今後の対応については、答申内容を踏まえ、早急に検討していく」としている。

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[杉浦正武, ITmedia]

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