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本格的なネットワークカメラを簡単に〜三洋電機「HOVICA」レビュー(1/3 ページ)

» 2004年11月08日 14時22分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ブロードバンドサービスの加入件数が1700万件を突破しても、ネットワーク対応製品にはまだまだ「とっつきにくい」「敷居が高い」という印象が付きまとう。それをいかに簡単で便利なものにするか、機器メーカーすべてが頭を悩ませている部分だ。

 三洋電機が発売する「HOVICA」は、独自のネットワークサービスを組み合わせることで簡単設定とリモートアクセスを可能にするネットワークカメラ。今回は、“ほぼ製品版”の試作機を試用した。

 HOVICAには、無線LANタイプの「IPC-H1W」(6万5100円)と有線LANタイプの「IPC-H1L」(5万8800円)がある。両者の違いは、CFスロット用の無線LANカードが付属することだけ。ただ、監視カメラは実際に映像を見ながら設置場所を決めたいものだから、設置の自由度を考えると、やはり無線LANタイプがオススメだろう。

photo 家庭用ネットワークカメラ「HOVICA」(ホビカ)「部屋にマッチするキュートなデザイン」(同社)

 まずはお約束の外観から。球形の本体は、104(幅)×125(高さ)×112.5(奥行き)ミリで、重量は約370グラム(無線LANカード込み)。前面中央にカメラ部が大きく出っ張っり、その上に赤外線送信部、下には人感センサーを備えている。カメラ部中央にある30万画素CCDは、パソコンや携帯電話からの操作により、パン/ティルトが可能。左右に182度、上下に130度の範囲で動かすことができる。

photo 上下左右にぐりぐり動くカメラ部。上の緑が電源ランプ、逆側の赤いランプは「留守モード」時に点灯する。各ランプの下側にある部分は補助ライト

 上面には「留守ボタン」があり、これをオンにするとセンサー類と警報機能が有効になる。出かける前にポンと押せば、あとはHOVICAにお任せ。人感センサーが侵入者を検知すると、補助ライトと警報ブザーで威嚇すると同時に、予め設定したアドレスに警報メールを送信する仕組みだ。ただし、ボタンを押した後、出て行く自分に反応されても困るから、本体設定画面(後述)で留守モードへ移行するまでのタイムラグを設定しておこう。「なし/30秒/1分/2分/3分/4分/5分」の7つがあり、デフォルト設定は1分だ。

 背面下部には、イーサネットポート、センサー入出力、電源(AVアダプタ)、映像出力といったインタフェース類が並んでいる。

photo 下部インタフェース。左からイーサネットポート、センサー入出力、AC電源、ビデオ出力

 ちょっと気になったのは、設置した際に床面との距離があまりなく、平らな面に設置したとき、通常のイーサネットケーブルでは“曲げ”が窮屈になってしまうこと。ケーブルの逃げ場が後ろにしかない場所に設置するときは、ケーブルの選択に気をつけたい。できれば、壁面に置いてケーブルをそのまま下に流すか、壁掛けにするのが良い。背面には壁掛け用の穴も用意されている。

photo 背面。右上のメニューボタンとスティックボタンで設定を行う(後述)

 もう一つ、細かい部分で気になったのは、CFスロットのカバーが“かっちり”と固定できないこと。ほとんど“のせている”だけなので、斜めにすると簡単に脱落してしまう。実際には、一度設置場所を決めたらあまり動かさないモノだから問題はないだろうが、ちょっと安普請という印象を受けた。製品では改善されていることを期待したい。

ぐりぐり動かす快感

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