ここからは電子辞書を開いた後の使いやすさをチェックしたみたい。どれだけ使いやすいか、どれだけ早く目的の辞書・コンテンツへアクセスできるのかが焦点だ。海外旅行での街角や店先などで調べものをするとき、電子辞書を取り出したはいいが、目的の語句を調べ上げるのにモタモタしていたら……。紙の辞書よりは早く引けるかもしれないが、せっかくの“電子”辞書が台無しだ。
まずは、電子辞書では一般的な辞書切り替えキー(ショートカット)に注目してみよう。多くの機種でキーボード最上段に搭載されているこのキーを押せば、利用頻度が高いと思われるプリセットされた辞書にアクセスできる。一般的にこのキーは6つから7つが用意されるが、カシオのXD-DP1000のようにシフトキーを組み合わせることで8つの辞書を呼び出せる製品もある。
ショートカットが用意されていない辞書を呼び出すには、メインメニューからメニューをたどっていく必要がある。収録されている辞書の数が少なければメニューもシンプルで分かりやすいものとなるが、多ければ多いほどたどるべき階層が深くなってしまい、操作も煩雑になってしまう。
そのため、数十の辞書を搭載したモデルでは、メニューのレイアウトを工夫するほか、利用者自身がよく使う辞書をあらかじめ登録できる機能を備えている。旅先で利用頻度が高そうな辞書が搭載されていても、呼び出すことを手間に感じてしまうならばその利用頻度は必然的に低くなってしまう。こうした“引きやすさ”も事前に確認しておきたいポイントだ
また、ほとんどの電子辞書は、1つの言葉について複数の辞書を対象に同時に検索を行える機能(複数辞書検索機能)を備えている。今回取り上げている機種の中では、カシオのXD-DP1000が完全一致、ソニーのEBR-S8MSでは前方一致など、検索方法に違いが見られるが、いずれにしても便利な機能であることには間違いない。
前方一致方式をとる製品の場合、スペルがうろ覚えでも目的の言葉を探せるというメリットがあるかわりに、該当数が多い言葉(Can〜など)の場合、検索対象として表示される言葉が多くなりすぎて動作そのものが緩慢になることがある。便利な機能だが、とっさの使い勝手という面では劣る場合があることを覚えておきたい。
これは今回取り上げている5機種だけの問題ではないのだが、実際に言葉を調べていると、入力に対するレスポンスや画面のスクロール速度は機種ごとにかなり異なることに気が付く。辞書を指定して調べる場合にはそうでもないが、複数辞書検索機能を利用するとその差は特に顕著に感じられる。
今回取り上げた機種の中で、軽快な利用感を味わえたのはSIIのSR-M7000とキヤノンのwordtank V80。この2機種はキー入力に対する反応や画面スクロールも機敏で、複数辞書検索機能を利用しているときにもその軽快さは失われていない。また、起動/終了時にメッセージを表示する機種も多いのだが、“ぱっと取り出して、さっと使う”ことがより求められる旅行時にはそうした表示がまどろっこしく感じられるかもしれない。
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