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“大画面の機は熟した”――開発陣が語る「三菱のリアプロTV」劇場がある暮らし――Theater Style(2/3 ページ)

» 2005年02月26日 02時43分 公開
[西坂真人,ITmedia]

――DLP方式のリアプロTVは、2001年に一度「65-DL1」を国内に投入しましたよね。ただ、家庭向けにはあまり普及しなかったと記憶していますが。

 「当時はDLPのデバイスも第一世代の720p DMD『HD1』で、価格も非常に高かった。DLP自体もまだまだ知名度が低く、ハイエンド向けフロントプロジェクターで採用され始めたのも65-DL1が出たあと。大きさと重さもネックで、エレベーターに入らず30万円かけてクレーンで搬入したこともある」(佐藤氏)

 「ただし、DLPリアプロTVの画質への評価は非常に高く、NHKの各放送局にも採用されるほどだった。ただ、150キロという重さと160万円という価格から、家庭向けというよりも業務用が中心となっていた」(木村氏)

 「大型サイズなので搬入にもコストもかかり、どんどん数が出る商品ではなかった。リアプロTV自体もソニーのグランドベガと当社ぐらいで、プラズマテレビもほとんど普及していなかった時期なので、量販店も大画面テレビの販売ノウハウを持ってなかった」(伊藤氏)

photo 「どんどん数が出る商品ではなかった」(伊藤氏、左)「画質への評価は非常に高かった」(木村氏、右)

――現在はユーザーのテレビ視聴環境も変化し、“より大画面”へというニーズも高まっていますね。ただ市場では“薄型”というキーワードでプラズマ/液晶テレビが先行していますが。

 「CRT方式が中心だった従来のリアプロTVは“大きい、低画質”などネガティブなイメージが強かったが、昨年5月に当社が発表した薄型化の新技術や、高画質化が可能なDLP方式などによって、リアプロTVはまだまだ発展し、どんどん進化する製品だということを広く認知してもらいたい」(吉田氏)

――リアプロTVにDLP方式を採用するのは国内では三菱電機だけですよね。リアプロTVにおけるDLPのメリットは?

 「DLPは長寿命性がやはり大きなポイント。液晶方式は配向膜が有機材料でできており、ランプに反応して経時劣化する。また、開口率が高いため画素と画素の間の格子がほとんど見えず、滑らかな映像を再現できるのは視聴距離が近くなるテレビ向けでは有利なところ。そして焼き付きの心配がないという点も長時間見るテレビでは重要」(伊藤氏)

photo 左が他社製(国内で展開しているE社)液晶方式57V型リアプロTV、右が同社DLPリアプロTV「62-DL5」

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