機能ばかりでなく、静止画撮影の品質が高い点も、キヤノンが以前から得意とするところだが、「IXY DV M5」でも自然かつ濃厚な色のりが非常に印象的だ。最大2304×1736ピクセルという解像度の向上により、さらに鮮やかな印象を見せつける。ビデオ撮影に関しても、同様にRGB原色フィルター+DIGIC DV映像エンジンによる発色のよさが生きている。当然ながら、解像度はSDにとどまるものの、その範囲内で輪郭の立ったキレのよい映像を提供してくれる。
DV撮影時には16:9ワイド画面での撮影も可能。同じ風景をノーマルモード(上)とワイドTVモード(下)の両方で撮影してみた。ワイドの場合でも、特に解像度や明度の低下は見られない。また、ワイド撮影時には、液晶モニターが上下黒帯つきのレターボックス表示となる。
次の写真は、テープへの動画撮影(上)と、カードへの静止画撮影(下)を同じ撮影位置から行ったもの。ともに豊かな発色が印象的。動画撮影ではさすがに若干色落ちしているが、それでも品質は上々といえる。
そのほか、キヤノンのDVカメラでは(松下電器産業や日本ビクターと同じく)、DV端子に加えて、標準でビデオクラス対応USB端子も装備しているのも特徴。現在では、Windows XP SP1に付属するWindowsムービーメーカー2(または、SP2に付属する2.1)との組み合わせで、簡単にビデオ編集環境を揃えられる。手軽に、DVと同様の使い勝手でのビデオキャプチャーが可能なわけだ。
これまで、軽量・コンパクトを売りとしたDVカメラでは、性能も合わせた総合的な評価において、ソニー「DCR-HC90」のバランスの良さが秀でていた印象だが、「IXY DV M5」はその強力なライバルとなりそうだ。ただし、予想実売価格は12万円前後と若干だが高めの印象。こうなると、2メガピクセルどまりながら、さらにコンパクトかつ低価格(予想実売価格は8万円前後)の“弟”「IXY DV S1」の出来が気になる。また、同時発表されたDVDビデオカメラ「DC20/DC10」もかなりコンパクトに仕上がっているようだ。これらの注目機種も近いうちにレビューで取り上げる予定だ。
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