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長時間動画やシーンモードで“遊べる”薄型デジカメ――「オプティオS6」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年11月02日 06時22分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 再生時もデジタルならではの機能を見せてくれる。

 特に画像を加工して別途保存してくれる機能だ。カラーフィルタをかける機能、絵画風やソフトフォーカスといったデジタルフィルタをかける機能などが用意されている。この辺は作例を見て欲しい。

再生モードでもカラーフィルタ、デジタルフィルタ、赤目補正などさまざまなデジタルならではの機能を楽しめる

動画はDivX形式を採用

 このクラスのデジカメはたいていMotionJPEG形式の簡単な動画機能を持つのが普通だが、オプティオS6はちょっと凝っている。

 動画フォーマットはデジカメでは初のDivX 5.0を採用。ペンタックスが最初に本格的なMPEG-4を採用した「オプティオMX」はMPEG-4コーデックのMOVファイルだったが、オプティオS6ではDivXコーデックのAVIファイルに変更されたのである。

 オプティオS6は電子式手ブレ補正機能も持っている。電子式手ブレ補正なので動画撮影中は画角が少し狭くなるがしょうがない。

 ちなみに640×480の30fpsでビットレートは音声込みで約2.2Mbpsだ。同様にMPEG-4系を採用するEXILIMの一部の機種や三洋電機「DMX-C6」に比べると、圧縮率はちょっと高い。

 音声がモノラルだったり動画撮影中はズーミングが効かないなど動画デジカメと呼ぶには心許ないが、気軽にさっと動画を録りたいとき、高い圧縮率のDivXや、手ブレを防ぐ機能はうれしいところだ。

 撮影したDivX動画は、Macでの再生には未対応とされている。Mac版のDivX 5.0をインストールして試してみたところ、映像はうまく再生されたが音声に問題があった。理由は不明だが、Mac版のDivX 5.0もちゃんと存在しているのだから、MacでもWindowsでもDivXがインストールされていたら再生できるようにすべきだったと思う。

機動力重視の多機能を楽しむスタイリッシュコンパクト

 バッテリーは薄型のリチウムイオン充電池で、CIPA規格で約130枚。今となってはかなり少ない方で、持ちにはやや不安が残る。

側面の蓋をあけるとSDメモリカードスロット、バッテリー、DC IN、USB用コネクタがある。バッテリーは取り外して充電器で充電するタイプだ

 そんなわけで、沈胴式3倍ズームレンズに2.5インチの高精細で見やすい液晶モニターという典型的スタイリッシュコンパクトなボディながら、デジタルならではの豊富なシーン機能やDivXフォーマットの動画機能、再生モードで楽しめる各種デジタルフィルタ機能などを盛り込んだ、いろんな機能で遊べるデジカメがオプティオS6。使ってみると、スタイリッシュな見かけの割に意外に楽しめる機能が多くて面白い。ひとつひとつの機能はそう強力ではないけれども、シーンモードは結構効果的だし、DivXの動画は長時間撮れるので気軽でいい。

 ただ、動画デジカメと呼ぶには動画中にズーミングできないなど弱い面も多いし、機動力はあるけれどもバッテリーの持ちはあまりよくないし、デジタルならではのお遊び系機能もこれがあるからオプティオS6を選ぶ、というほど強力なものでもない。

 よくまとまったデジカメなんだけど、薄型スタイリッシュコンパクトは激戦区なだけに、あと一歩強力なウリが欲しかったか。

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