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構成いろいろ“発展型シアターシステム”――ヤマハ「シネマステーションS35」サラウンドシステム特集(3/3 ページ)

» 2005年12月21日 20時34分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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映画を観るならシネマDSPは積極的に使いたい。音楽再生は2.1chで

 サラウンドモードは、シネマDSPボタンで[ムービー][ミュージック][スポーツ][ゲーム]を選択できる。シネマDSPをオフにしたい場合は、たとえば[ムービー]ポジションであれば、再度、[ムービー]ボタンを押せばいい。「モード」ボタンは2chソースのドルビープロロジックIIモードを選ぶもので、[オート][ムービー][ミュージック]の3モードがある。[オート]を選んでおくと、シネマDSP、ドルビープロロジックIIともオフとなり、5.1chソースはそのまま、2chソースは2.1chで出力される。

 フロント/リアはすべて同じ特性のため、当然ながらチャンネル間のバランスやつながりはいい。しかも、シネマDSP(ムービー)を使うと、音のつながりがさらに向上する感じだ。各チャンネルの音がやや左右に広がり、音源位置もやや上に移動した印象を受ける。音量をある程度大きくした場合は、多少音が雑然としてしまうきらいはあるが、通常の音量レベルで聴く分には、シネマDSPを積極的に利用すべきだろう。

 また、シネマDSPの[ミュージック]モードを5.1chソースの音楽に適用すると、やや前方(センタースピーカーの上あたり)にあった音場の中心が、少し手前に移動してきて、頭を包み込むような感じとなる。音質面でも、やや残響が付加される程度で、不自然さはない。ほかに[スポーツ]では音場が大きく広がったような印象、[ゲーム]ではややエコーが強い表現となる。

 一方、音楽などのステレオ音声にドルビープロロジックIIとシネマDSP(ミュージック)を適用した場合、音場が広がるとともに、センターも利用されるため隙間もできにくいが(音源が左右の2点ではなく、横線となる印象)、各音の焦点がややボケてしまうので、個人的にはオフのほうが好みだ。

 基本的に各スピーカーの音質は満足の行くレベルだが、あえていうなら、ほんの少し高めに浮いてしまう雰囲気はある。サブウーファーに関しては、弾力というかスピード感がもう一歩あればとも感じた。低音のバランスは自分で調節可能だが、うまく合わせたつもりでも、全体の音量を上げると急にサブウーファーのみの存在感が増してしまうため、音量に応じて調整し直す必要もあった。

photo サブウーファーはA-YST(アドバンスド・ヤマハ・アクティブサーボ・テクノロジー)II、および、QD-Bass(キューディー・ベース)テクノロジーを採用。底部に16センチウーファーとリニアポートを内蔵している
photo サブウーファーの背面には、ボリューム調節ダイアル、ピン入力端子、システム接続端子が並ぶ。システム接続ケーブルを利用するなら、電源をオンにする必要はない

 とはいえ、この製品ではサブウーファーの存在は重要といえる。2ch構成で利用した場合は、通常の音楽再生においても、低音成分が足りないばかりか、全体に落ち着かない印象となってしまう。しかし、2.1ch構成であれば、音に厚みがつくと同時に、高音や中音も透明感が増す。ステップアップを想定して最少構成から始める場合でも、2chシステムの「AVX-S35B」ではなく、3.1chシステムの「AVX-S35P」を検討したほうがいいだろう。

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