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スタンダードなシアターシステム構成を無線化――デノン「DHT-S7000」サラウンドシステム特集(2/3 ページ)

» 2005年12月28日 19時41分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 デジタルワイヤレスレシーバー「RV-S7000」は、PC周辺機器を思わせる外見で、前面には「SEARCH」ボタンと状態表示用LED、背面にはリアL/R用のスピーカー端子(プラグ型)が用意されているのみというシンプルなつくりだ。その分、初回導入時にも操作などは要せず、AVアンプの電源を入れ、ワイヤレスレシーバーの電源コードをコンセントへつなげば、自動的にペアリングが実行され、難なく通信が確立される。

photo ペアリングは初回電源投入時に自動実行、チャンネル変更もトランスミッター側で行うのみ。そのため、レシーバーには、通信に不具合が生じた場合に回復を試みるためのSEARCHボタンと、状態表示用LEDだけが並ぶ
photo レシーバーは音声のワイヤレス受信を行うとともに、内蔵アンプ経由でリアL/Rのスピーカーへ出力を担う。端子はAVアンプのスピーカー端子と同じく、プラグ型になっている

 ほかの機器との干渉を避けられるよう、ワイヤレスは4チャンネルに対応。工場出荷時には「オート選択モード」にセットされており、自動的に通信状態のいいチャンネルを選んでくれる。また、本体の「WIRELESS CHANNEL」ボタンを押せば、手動選択も可能だ。AVアンプ側には、レシーバーと同じワイヤレスステータスLED(正常に通信が行われていれば、青色に点灯)のほかに、使用チャンネルを示す4つのLEDも用意されている。

 通信可能距離は、仕様上では約10メートル。通常のホームシアター用途であれば、問題はないだろう。試しに、レシーバーとリアスピーカーを2階へ移動させてみたところ、角度や位置によっては音声が途切れる場合もあったが、いちおう通信は可能だった。また、無線LANとの干渉に関しても、特に神経質になる必要はないようだ。レシーバーの至近距離(数十センチ程度)までノートPCを近づけ、2.4GHz無線LANを利用した際には、さすがに音が断続的になったが、一般的な位置関係であれば問題はないと思われる。

 それよりも気になったのは、リアスピーカーから常に出ているホワイトノイズだ。通常のアンプとスピーカーでも皆無ではなく、フロントスピーカー側でも聞こえるが、それよりもやや大きめのレベルとなる(いずれにせよ、耳を近づけないと聞こえない程度ではあるが)。音質面で高音がほんの少しノイジーに感じられる点も含め、ワイヤレス伝送に起因するものかどうかは不明だ。

 ただ、レシーバーには電源スイッチが存在しないものの、AVアンプ側がオフや2ch出力モードになっている場合は、自動的に(約10分で)スタンバイに入るようになっている。当然ながら、この状態では完全に無音だ。

 外部機器接続端子は、光角型デジタル音声入力が3基(表記はDVD、TV/AUX1、MD/AUX2)、アナログ入出力が2基(VCR、MD/TAPE)、アナログ入力が2基(DVD、TV/AUX1)という構成。AVアンプと記述されているだけに、VCR、TV/AUX1、DVDについては、S/コンポジット入力端子(VCRは入出力)も装備する。

photo スピーカー端子はフロント、センター、スーパーウーファーの4基のみですっきりしているが、豊富な音声入出力に加え、映像入力も備えるAVアンプのため、端子数はかなりのもの

 本体の「FUNCTION」、またはリモコンの「入力切替」を押すと、DVD→TV/AUX1→VCR→MD/TAPE→MD/AUX2→PORTABLEと切り替え可能。PORTABLEは、本体前面に用意されたステレオミニジャックからの入力で、主に携帯音楽プレーヤーを想定している。

photo AVアンプの前面右には、電源ボタン、ヘッドフォン端子、PORTABLE IN端子が並ぶ。さらに、ワイヤレス通信が正常に行われていれば青色に点灯する「STATUS」、使用チャンネルを示すCH1/CH2/CH3/CH4のインジケータLEDも装備する

音量バランスだけでなく、ルームサイズとスピーカー距離の設定で、音響の最適化が可能

 導入時のセットアップは、「ルーム設定」を利用。本体の「MENU/SET」ボタンを2秒以上押すと、ディスプレイ部に[6(2.7×3.6)]と表示され、「SELECT」で選択できる。6畳(2.7×3.6=9.72平方メートル)以下の部屋に設置した場合は、変更の必要はないが、8畳程度であれば[8(3.6×3.6)]にセットすればいい。ほかに、[12(3.6×5.4)][15(4.5×5.4)][20(4.5×7.2)]も選べる。

photo 前面右には、各種操作ボタン類に加え、入力中の外部機器や、信号種別、サラウンドモード、音量などを表示するディスプレイ部を配置。リモコンは「DHT-M330」と同じく、シンプルなものだ

 各スピーカーの音量レベルは、ほかの多くの製品と同じく、テストトーンを出力して調整を行える(1dB単位で−12dBから+12dBまで)。また、チャンネルごとの距離を入力すれば、サラウンドのディレイタイム設定も可能だ(0.3メートル単位)。リモコンの「チャンネル選択」ボタンを押すと、「LEVEL</>DELAY」と表示されるので、右を選択すると、フロント、センター、サラウンドの3チャンネル(スーパーウーファーはフロントと同一となる)に対して、距離を設定できる。

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