本機では、ユーザーインタフェースに大きな改良が2つ、くわえられている。1つめは電子番組表(EPG)で、従来のチャンネル・時間帯別の1列表示にくわえ、ラテ欄表示が可能になった。ラテ欄表示では、3時間分を3/5/7チャンネルで表示でき、東京ならVHFの全チャンネルを1つの画面で一覧できる。
ハイビジョン表示を前提にしたデザインではないため、さすがに7チャンネル表示では30分番組の番組名はほとんど把握できないのだが、ゴールデンタイムなど1時間番組が多い時間帯には十分実用的だ。7チャンネル表示でも縦スクロールはストレスのないレベルで、横スクロールも同様だ。「前」「次」キーでページ単位(3時間)でのスクロール、前日、翌日への移動もワンキーで済むなど操作性は良好だ。また番組表では録画予約された番組も確認できるため、録画予約の重複なども把握しやすくなった。なお、設定したキーワードから関連用語を抽出して番組の検索などに利用する「気がきく!録画辞典」も、もちろん採用している。
もう1点の大きな改良はリモコンだ。「DVR-530H」のレビューでも触れたが、2005年モデルでGUIが洗練されたのに対してリモコンは変わらず、この点は昨年末に登場したデジタル放送対応モデルでも同じだった。本製品のリモコンは、2005年秋に投入された「プリヴェ」(DVR-330H)の「シンプルリモコン」をベースにしたもの。利用頻度の高いボタンを大型化した一方、利用頻度の低いと思われるボタンはカバー内に収納し、全体のボタン数も削減されている。
もちろん、単にボタン数を減らしただけでない。4方向ボタンの上下にチャンネル、左右に「CMバック/CMスキップ」機能を割り当てるなど工夫もされており、とくに不便を感じることはない。操作性は間違いなく良いし、極めて直感的に扱える。意外と利用頻度が高いのでは? と思われる「青」「赤」「緑」「黄色」のキーがカバー内にあるのがちょっと気になるものの、GUIに相応しいリモコンに生まれ変わった。
イマドキのDVDレコーダーでは音楽CDの再生はもちろん、MP3やWMAの音楽ファイル(を記録したCD-Rメディア)を再生できる機種も珍しくない。しかし、DVDレコーダーの機能としては“オマケ”の域を超えない場合が多く、いままでレビューで取り上げることはなかった。
今回、その音楽再生機能をあえて紹介するのは、たとえばリビングのAV機器がテレビとDVDレコーダーだけ、といった場合に実用性が高いと判断したからだ。2005年モデルでも音楽CDをHDDに録音する機能は備えており、本製品でもそれは継承されている。しかしHDDへの録音には再生時間と同じ時間がかかり、アルバム名や曲名をリモコンから入力する必要があるなど、使い勝手はイマイチだった。
本製品からは、新たにCD-Rに書き込んだMP3/WMAファイルをHDDへ高速ダビングできるようになった。実際に試してみたところ、700MバイトのCD-Rほぼ一杯に書き込んだMP3ファイルを11分程でダビングできたので、確かに高速だ。HDD上では、CD-Rのフォルダ構造やアルバム名、曲名などもそのまま反映された。
さらに、マスストレージクラス対応のUSBフラッシュメモリなどからのダビングも可能。MP3/WMA対応のシリコンオーディオプレーヤーを使っている人なら、外出先と自宅のリビングで同じ曲を楽しめる。前述の番組録画中や高速ダビング中でも音楽再生機能が利用できる点などもあわせ、充実した音楽再生機能に魅力を感じる人は少なくないのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR