品質測定はグラフが多くなって申し訳ないが、トータルでいえば申し分ない。PIエラーが気になるのはDVD+R DLの2層目程度で、これも一般に見れば十分許容範囲内だ。2層メディアはどうしてもレイヤー0かレイヤー1のどちらかのエラーレートが高めになる傾向があるが、本製品ではレイヤー1の方が高め、という感じだった。TAも「VeryGood」「Good」の比率が極めて高く、「NotGood」が並んだのはDVD-RWのみ。こちらはメディアが対応する最高速度で書き込んだためだと想像できる。また、激安メディアの1つであるSmartBuy製のDVD-Rもエラーレート、TAとも申し分ない結果だ。ダビング速度をあえて抑えたことで、DVDメディアへの高い書き込み品質が実現されている点は間違いない。
DVD-640Hは、一言で特徴を表現するのが難しい製品だ。もちろん悪い意味ではなく、ユーザーインタフェースやダビング品質など言葉で表現しにくい良い部分を持っているから。ユーザーインタフェースは使いやすいだけでなく、「どうしてできないの?」と思える部分がほとんどない。
ダビング中でも番組表を見たり録画予約をしたり、ダビングと関連しない機能の設定ができたりと、ソフトウェアのマルチタスクが非常に良くできている。ソニーの「スゴ録」や「PSX」のように異常なまでに高速な操作レスポンスを持つわけではないが、この点でもストレスがたまるレベルではない。もちろん、こうした部分は2005年モデルで既に実現されていたわけだが、リモコンと電子番組表の改良で、ユーザビリティという点ではほとんどケチをつける部分がなくなってしまった。
一方、ヘビーユーザーには機能的に物足りないと感じる部分も多いだろう。たとえば筆者はスカパー!の録画がメインだから、連携機能を持つ東芝製品からは当面離れられないし、地上波をヘビーに録画する人なら2番組同時録画機能を持った製品が欲しくなるだろう。しかし、初めてDVDレコーダーを買う人、あるいは使用頻度は高くないが、そろそろ買い換えたいといった「地上波アナログ対応の平均的なDVDレコーダー」の購入を考慮している人には、迷うことなくお勧めできる。とにかく「良く出来た」DVDレコーダーなのだ。
唯一、難点を挙げるとすれば、この製品を使った後に他社製品を使うと、できそうなことができなくてイライラするかもしれないという点だ。まぁ、この点はまた違った意味で、東芝のRDシリーズにも言えそうなのだが……。
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