USB接続でのコンテンツ再生機能も大幅に強化された。マスストレージ接続に対応する点は旧モデルと変わらないが、本機ではFAT/FAT32だけでなくNTFSにも対応。さらにマルチパーティションもサポートするため、今時のPCで利用しているHDDをそのまま接続し、保存されているコンテンツを再生できる。
USB接続ストレージ内のコンテンツ再生で残念なのが、静止画のサムネイル一覧が行えないこと。メモリカードリーダーやデジカメをUSB接続しての静止画再生は結構使う人が多そうな機能だけに残念だ。
またUSB接続のストレージに保存したDVDビデオのISOイメージの再生にも対応する。ただし、DVDビデオを構成するファイルのフォルダからIFO/VOBファイルを指定して再生することはできないようだ。このあたりは、DVDレコーダーなどでダビングしたDVDメディアをISOイメージとして保存し、再生するといった使い方を想定しているのだろう。
「AV-LS300DW」は、最新のLinkPlayerであると同時に、変わりつつあるDMAの位置付けにも対応した製品だ。先代モデルが登場した頃は、DMAはどちらかといえばマニアックな需要に対応する製品だったが、現在ではいわゆる“テレパソ”の多くにメディアサーバ機能が搭載され、そのほとんどがDLNA準拠となっている。つまり、ここ1〜2年にテレパソを購入したユーザーであれば、本製品をLANに接続するだけでPC内のコンテンツにアクセスできる状態ということだ。
またDVDレコーダーでもDLNA準拠のサーバ機能を持つ製品が増加するなど、DMAの活躍の場は確実に広がりつつある。そこで良くも悪くもマスマーケット指向へ方向転換したのが本機なのだろう。
基本的には先代モデルからの正常進化であり、画質、音質ともに改善が図られているし、操作性もブラウザベースではなくなり、一般的になった。これらの点は、モデルチェンジにおける明らかにポジティブな面だ。レスポンスに関しては先代モデルから特に良好になったという印象はないし、情報量重視のHDモードもなくなり(10フィートGUIのみ)、リモコンのボタン操作でショートカットできる機能は減っている。また同社のテレビチューナーユニットを制御する機能も削減された。つまりマニアックな部分が軒並み排除されてしまったともいえ、その意味でネガティブな面も少なくはない。
もっとも、その先代モデルを所有している筆者でも、買い換えたいと思える製品に仕上がっているのは事実だ。確かにPC周辺機器ならではの機能は削減されてしまったが、操作体系が一般的となった点は非常に意味が大きいし、予定されているDTCP-IP対応を果たせばデジタル放送対応のDVDレコーダーで録画したハイビジョン映像をハンドリングすることも可能になる。そのとき、画質/音質の改善が大きな意味を持ってくるだろう。
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