新搭載となるのがコントローラーホイール。PowerShot S80にも搭載されていた機構だが、ちょっと同社製デジタル一眼レフに近い操作性が実現されており、ホイールの回転もなめらかで操作は快適。
G6まではシャッターボタン手前にダイヤルがあったが、ちょうどこれが背面になった格好で、シャッタースピードや絞りの変更にも使える。ダイヤルとホイールの両方での操作がキヤノンの一眼レフの伝統だが(Kiss Digitalはのぞく)、これまでのような「ダイヤルだけ」よりも「ホイールだけ」という方が、撮影時だけでなく全体の操作性としては良いように感じる。
マニュアル撮影時にはシャッタースピードをホイールで操作し、絞りは露出補正ボタンを押してからホイールを回す。ダイヤルとホイールの違いはあるが、このあたりの操作方法はG6までと変わらない。シャッタースピードと絞り以外にも、設定項目変更や再生時の画像送りにもホイールは利用できる。
ちなみにシャッタースピードと絞り変更時のインタフェースは新しくなっている。目盛りが表示され、それに数値を合わせる感じでちょっとアナログ感を感じる。
ホイールの中には十字キーとファンクションボタンが配置され、十字キー上にはMF、右にはフラッシュ、下には連写/セルフタイマー、左にはマクロが割り当てられる。
この十字キーは一度押しただけだと設定できる項目が一覧表示されるだけで、もう一度ボタンを押すかホイールを回すことで設定項目が変化する。この方法だと、設定を変えたいときに、ボタン押しかホイール回転という1ステップが必要になるが、誤ってボタンを押したときに気づかないうちに設定が変わっていて失敗する、といったことはなくなる。
このホイールの内側に配置された形の十字キーは、周囲から盛り上がる形にはなっているものの、ホイールと十字キーで押し間違えることもあった。ただ、そんなに頻繁でもないし、慣れればなんてことはない。
中央のファンクションボタンはキヤノン伝統のインタフェース。いい加減、このインタフェースも長いとは思うのだが、使い勝手は悪くないので特に不満は感じない。設定できるのはホワイトバランス/マイカラー/フォーカスブラケット/ストロボ発光量/測光方式/NDフィルタ/画質/画像サイズ。Gシリーズ伝統のNDフィルタは健在。これはうれしいところだ。
スペックダウンといえば、画像サイズの項目からRAWがとうとう消えてしまった。仮にもハイエンドなのにRAWに対応しないのはどうかとも思うのだが、キヤノンはPowerShot Sシリーズでも最新のS80からRAWを省いているし、このあたりは最近のキヤノンのポリシーなのかもしれない。
外観としてはそのほかに光学式ファインダーとアクセサリーシュー搭載。光学式ファインダーは実像式のズームファインダーだが、ワイド端からレンズにケラれるため、バッテリーが足りなくなった場合の緊急用と考えた方がいいかもしれない。
アクセサリーシューに関しては、コンパクトデジカメで搭載するカメラはそれほど多くないが、Gシリーズの伝統通り外部スピードライトを装着可能。小型/薄型化したため580のような大型のスピードライトはかなりバランスが悪くなるが、これが装着できることで撮影の幅はかなり広がる。
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