今回の視聴ではプレイステーション3からヤマハのAVアンプ「DSP-AX4600」にHDMIで出力し、リニアPCMの音声もチェックしてみた。
DVD版のdtsは重低音を誇張しすぎと感じられるほど強調し、ホラー的な雰囲気は充分出しているものの、時として細かな音が感じられないことがあった。リニアPCMの音声はdtsのように派手な演出を聞かせてはくれないが、マスターらしく、きちんとコントロールされ、各チャンネルの配分に無理を感じさせない。ドルビーデジタルの音声よりパワフルだし、レベルも充分高めになっている。対応アンプを持っているのであれば、是非メインに聞くべきサウンドとなっているので、AVファンであれば必聴と言えるだろう。
映像の視聴はいつもどおり42インチのプラズマと、液晶プロジェクターによる80インチのスクリーン再生で行った。接続はAVアンプを経由してのHDMI接続である。
まず続編のお約束である前作のおさらいだが、ビジュアル的にマルチ画面を効果的に使った画作りが見やすくなった。トム・クルーズ主演の「マイノリティ・リポート」を思わせるが、所々に付けられた派手なショッカー音も効果的だ。
本題に入ると舞台となるラクーンシティの実景が画面いっぱいに映し出されるが、こういったロングショットの美しさはハイビジョンの独壇場と言っていいだろう。ビル群の空撮や、家が並ぶ郊外の様子など、どのショットも息を呑むほど美しく再現できている。
安全地帯に護送されることになったアシュフォード博士の家や小学校のレンガの壁などの表現力はハイビジョンの緻密さがよく感じられるようになっている。博士を迎えに来た車を逆光でとらえたほんの1秒たらずのショットがあるのだが、DVD版ではよく見ると盛大なブロックノイズが乗ってしまって、とても煩わしく感じていた。
もちろんBlu-ray Disc版ではそうした点は改善されているのでご安心を。アシュフォード博士の娘は学校から脱出中、車が交通事故に遭ってしまうのだが、その場面も主観映像を織り込み凄まじい迫力を生み出している。
CH-2ではゲームファンお待ちかねのジル・バレンタインの登場シーンである。演じるのは新作「エラゴン 遺志を継ぐ者」でもアクションをこなしているシエンナ・ギロリー。残念なことにパッケージからは彼女のスチールすら消えてしまっているが、この2作目の成功はかなり彼女の存在が影響しているはずだ。オーディションの時、ゲームを参考にしたコスチュームで登場し、スタッフを驚かせたというだけあって、実に役にはまっている。
刑務所で顔を見せるまでは体を部分的に見せている演出が取られているが、最初に映る新聞のショットもDVDに比べ、かなりはっきり見えている事がわかる。しかし、それよりも嬉しいのはシエンナ自身の目力がより感じられるようになったことだ。
何が起こったか混乱している警察署の署員を尻目にアンデッドを撃ちまくり、退去をうながす一連の動作のカッコイイこと! ミラ・ジョヴォヴィッチにも決して引けを取らない強烈キャラ、ジルの登場には女性ファンもしびれること間違いない。
その後、前作のラストにあったアリスが目覚める場面が続くのだが、目のアップがすごい迫力だ。瞳孔までもくっきり見え、まるで顕微鏡で瞳を見つめたかのような感覚に陥る。
時間はいつの間にか夜になり、街は封鎖されようとしている。人々はひとつしかない街のゲートに押し寄せるのだが、Blu-ray Discだと群集の表情までも見えてくることに驚かされる。これからはエキストラでさえもいい加減な芝居は許されなくなるのだ。
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