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高機能がウリの12メガコンパクト――カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z1200」レビュー(3/6 ページ)

» 2007年06月22日 00時47分 公開
[小山安博,ITmedia]

はやりの機能を押さえ、ユニークな顔検出も搭載

 撮影機能としては通常のオート撮影やおなじみベストショット機能に加え、シャッタースピード優先オート(Sモード)、絞り優先オート(Aモード)、マニュアル露出(Mモード)での撮影も可能。シャッタースピードと絞りは操作パネルの露出補正から十字ボタン左右で設定できる。

 シャッタースピードや絞りを自分で設定できるので幅広い撮影が可能にはなるが、絞りは広角側でF2.8とF8の2段階しか設定できないなど、デジタル一眼レフや高級コンパクトデジカメレベルまではいかないが、それでも自分で設定できるところはうれしい。

photo 絞り値の変更画面。十字ボタン上下で露出補正になる

 ちょっと疑問を感じるのが、マニュアル撮影時のISO感度の扱い。SモードではISO感度オート、マニュアル露出ではISO50に固定されてしまうのだ。絞り値の選択肢が少ない分、設定したシャッタースピードでなるべく適正露出になるよう、ISO感度で調整しているためだろうとか理由は思いつくが、できればISO感度も自由に設定できるとよかった。

 なお、S/Mモード時、操作パネルはISO感度がグレイアウトして設定できないが、メニュー画面からはなぜか設定できてしまう。ただし、メニューで設定しても、S/Mモード時はISO感度は固定になっているそうだ。

photophoto ちなみに操作パネルをオフにすると、画面表示はこんな感じになる。ワイド液晶のため通常の4:3のサイズだと左右に黒い帯ができてしまう(左)、操作パネルオフの場合、中央ボタンを押すと露出補正(またはシャッタースピード/絞り値変更)がアクティブになる(右)

 CCDシフト方式の手ブレ補正機能を備え、手ブレに強い点も特徴。補正の効きは試用した限りは不満を感じなかった。定番の高感度撮影にも対応し、最大でISO1600まで対応する。ただし、明示的にISO感度を設定できるのはISO400までで、それ以上はカメラ任せになる。

 こうした設定は操作パネルでは「ブレ軽減」から設定できる。「オート」では手ブレ補正と高感度撮影がオンになり、ブレそうなシャッタースピードの場合、自動でISO800まで増感する。ブレ軽減で「手ブレ」を選ぶと手ブレ補正のみ、「被写体ブレ」を選ぶと高感度撮影のみがオンになる。ベストショットで「高感度」を選ぶとISO1600まで自動で増感する形だ。

photophoto ISO感度で設定できるのはISO400まで(左)、高感度撮影をする場合は、「ブレ軽減」でオートか高感度を選ぶ(右)

 昨今の流行である顔検出機能も搭載。顔検出機能は通常のオン/オフに加え、「ファミリー優先」が面白い。これは、別途、顔検出機能で登録した顔を認識し、その顔を優先的にAFなどを合わせる機能だ。精度自体は完璧といえるレベルではないが、それでもきっちり認識してくれるシーンもあり、意外に使えるという印象。

photophoto 顔検出はオプションが豊富なのが特徴(左)、顔検出の優先度を決めることもできる。ざっと試した範囲ではどちらもあまり差は感じなかったが、きちんと検証すれば差があるかもしれない(右)

 ファミリー優先に設定すると、AFは自動的に追尾AFに設定され、登録した顔にAFを合わせ続けてくれる。追尾AFでは、最初にAFを合わせた被写体が移動しても追尾し続ける仕組みで、AFロックをしてカメラを動かす際も、AFが常に被写体に合い続ける。ファミリー優先では、登録した顔がメインの被写体となるため、常に登録した顔を追う仕組みになっているようだ。

photophoto 最大の特徴はファミリー優先モード。顔をあらかじめ認識させておくと、集団の中でその顔を見つけて、その顔を優先的に検出してくれる

 同様の機能では、ベストショットの「オートフレーミング」があり、これを選択すると、被写体を自動で追い続けてくれる。顔だけでなく全体的に被写体を追ってくれるので、こちらの方が精度がいいようだ。ただし、画像サイズは5Mサイズに限定される。

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