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れこめんどDVD:「ドリームガールズ」(HD DVD)DVDレビュー(2/3 ページ)

» 2007年08月24日 08時30分 公開
[飯塚克味,ITmedia]

吹替版は期待通りのデキ。ただし音声仕様には不満あり

 残念なのは、音が命の本作にもかかわらずドルビーデジタルプラスの5.1ch(英語/日本語)しか収録されていないことだ。アンプのボリュームを上げればそれなりの迫力や臨場感を演出し、特にミュージカルシーンでのサラウンド感は5.1chのシステムを持っている人ならば、一度は体験してもらいたいものになっている。

 しかし、次世代音響フォーマットに対応するアンプが続々発表されている昨今なので、「このシーンのこの音、実はもっと厚みがあるのでは?」などと想像してしまうのである。今後のパラマウント作品には是非ともDolby True HDかDTS-HDのロスレス音声を積極的に採用してもらいたい。

 日本語吹替版は劇場公開時に用意されていなかったので楽しみしていたが、期待通りの出来。歌と台詞が交錯するので、違和感が発生するかと思っていたが、素直に楽しめるレベルになっていた。中には役者の声に近づけて声色を使っている声優もいて驚かされたので、吹替えファンはその辺もチェックしてみるといいだろう。

 ディスクの視聴は、HD-XA2からYAMAHAのAVアンプDSP-AX4600をHDMIで経由し、映像は42インチのプラズマと液晶プロジェクターによる80インチのスクリーン再生で行った。

チャプターごとにチェック

 CH-1ではタレント・コンテストの場面。明暗をはっきりつけた映像が印象的だ。また表舞台のきらびやかな雰囲気と、裏舞台の汚れた感じがHD DVDだとより際立って感じられた。緑、紫、青といった原色を効果的に使った照明も目を奪い、色の美しさにも惚れ惚れした。ドリーメッツの3人の女性たちの描き分けもうまい。なかでも舞台に立つ直前、いやらしそうな興行者にお尻を触られ、脅えているディーナ(ビヨンセ)を睨みひとつで救い、その後、手を取って彼女を勇気付けるエフィ(ジェニファー・ハドソン)の姿が忘れられない。

 CH-2ではドリーメッツが舞台に立つシーン。ジェニファー・ハドソンの歌声の力強さに思わず圧倒される。紹介の時に“クリーメッツ”と名前を呼び間違えた司会者が最後、ちゃんと“ドリーメッツ”と言う場面もおかしかった。ドリーメッツはその場にいたカーティスの勧めで女たらしのスター、ジミー・アーリーのバックコーラスに付くことに。

 CH-3ではその練習から本番、そしてツアーに出るまでが1曲の流れで見事に編集されている。ツアーに出るときにディーナの部屋にケネディの肖像が飾られているところに、時代感が出ていて興味深い。またツアーの場面ではどんどん変わっていく衣裳にも目が行ってしまった。

 CH-4ではエフィの弟で作曲家のCCが新曲を作っていくのだが、マイクや楽器、針のバーが木になっているレコードプレーヤーなどよく集めたなと思える小道具がたくさん出てくるので注意して見てもらいたい。

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