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携帯で110番──まだまだ多い課題(2/2)
GPSケータイが110番に使われる日公的な対応はこれからだが,技術的には相当高度な位置測定システムが実現し,既にサービスも開始されている。KDDIが昨年12月から発売している「GPSケータイ」がそれだ。 GPSケータイではGPS衛星を使い,「平均で8メートル程度の誤差」(KDDI)という精度で位置を割り出せる。これをうまく利用すれば,緊急通報時に正確な位置を割り出すのは簡単だ。実際セコムでは,緊急時に携帯電話の簡単な操作で,隊員が現場に駆けつける「ココセコムEZ」というサービスを既に提供している(2001年11月の記事参照)。 3機種を数えるGPSケータイの中で,ココセコムEZに対応しているのは「C3001H」1機種だけだが,セコムでは「(救急信号送信などの)ソフトウェアの組み込みが間に合わなかった」ためで,この春以降に登場する端末ではGPSケータイの標準機能になると語っている。 ただ,緊急通報のための画期的な技術はあっても,それをそのまま公的機関である警察が利用するのはなかなか難しいようだ。現状では基地局ベースの位置を把握するための“自前”のシステムに数億円をかけている。 報道などによると,警察庁は携帯電話通報者が番号を非通知設定にしていても,電話番号を表示させるシステムを作り,センターからかけ直して位置を特定できるよう進めているという。しかし,基地局まで特定できるシステムを実現できるのは数年後。現在のところは,電話会社に通信元の照会を行って発信基地局を突き止めているようだ。 とはいえ,せっかくのGPS機能が緊急通報で使われないまま持ち腐れになっているのは,もったいない話。すべての携帯電話にGPS機能が搭載され,それを警察や消防が利用する体制が整えば,緊急時に活躍することは間違いないだろう。 もっとも,京極夏彦の小説「ルー=ガルー」に出てくる携帯電話(端末)のように,内蔵してあるGPSを当局が自動的に起動して位置を確認できる――という世界は,あまり想像したいものではないが……。
全国導入が期待されるメール110番緊急通報の電子化について,足並みがそろっていない部分はほかにもある。 大阪府警や京都府警,滋賀県警,茨城県警,香川県警,宮城県警,北海道警などいくつかの道府県警では,耳の不自由な人のために,携帯電話などからメールで110番通報が可能な「メール110番」を導入している。 ただ,送り先のメールアドレスは各警察によってまちまち。アピールも,まだまだこれからといったところで,あまり活用されていないようだ。 携帯で利用できるWebサイトにしても,これからだ。警視庁は立派なPC向けWebサイトを運営しているが,iモードなどの携帯電話から利用できるサイトは見つけられなかった。 いずれにせよ,何かあったときの緊急連絡手段として携帯電話の占める位置が,今後さらに大きくなっていくことだけは間違いない。携帯電話が緊急通報の重要なインフラであるという事実を再認識し,緊急時の携帯電話に対する対応を,電話,メール,Webとともに,急いで進めるべきではないだろうか。何しろ,今や“携帯”は,市民と警察や消防を結ぶ大事な“接点”なのだから。
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