AirH"128Kの実力を徹底検証──複数のロケーションでチェック(4/5)
ロケーション3──夕方の地下街3つ目のロケーションは川崎駅の地下街「アゼリア」。現在でこそ携帯電話も多くの地下街での利用が可能になっているが,もともとはPHSが得意としていた場所だ。 ただ構造上電波を遮蔽する部分が多いし,そもそもAirH"128Kサービスを意識しているわけもないので,通話や従来のデータ通信に差し支えがない程度の基地局数しか配置されていないはずだ。しかしユーザーから見れば,データ通信を行いたい場所の1つでもある。
AH-G10のメンテナンスコマンドでは通信可能な基地局数は4つで,アンテナレベルも最大4が1つのみ。ロケーション2よりも一見劣悪。MC-P300での電界強度は22〜33とやはり弱い。
左がP300,右がAH-G10の捉えた基地局数と電波強度 32KbpsパケットではAirH"が27Kbps,bモバイルが26Kbpsとなった。電波状態は全般に悪いが,取り合えず1つの基地局とはしっかり通信ができているということだろう。
128Kbpsパケットでは「SPEED TEST」で最高が58Kbps,最低が46Kbpsとなった。ロケーション2より劣ると思われた電波状態だが,こちらの方が確実に受信速度は速い。
「Broadband Network Report」でも傾向は変わらない。最高が62.16Kbps,最低が55.82Kbpsとなった。確実に3つの基地局とは通信している受信速度だ。送信速度はAirH"が35.96Kbps,bモバイルが32.62Kbpsとなり,やはりロケーション2を上回った。
ロケーション3は一見ロケーション2よりも電波状態は悪い。にも関わらず通信速度は全般にロケーション3が上回った。計測時間の違いもあるが,ロケーション2の12:30〜14:00,ロケーション3の15:00〜16:30という時間帯のずれがスループットに大きな影響があるとは考えにくい。 理由として仮定できるのは,基地局の電界強度が弱い条件の違いだ。ロケーション2の場合,電界強度の弱い基地局は物理的な距離が遠いことが主な原因だ。DDIポケットの場合,基地局密度が高くないところではより広い範囲をカバーできる高出力型を使用する。 ロケーション2では基地局との物理的な距離が遠く,屋外であるため電波状態が変化する要因も多い。PHSの場合走行している自動車やトラックすら,結構電波状態に影響する。 これに対してロケーション3の場合は地下街という性格上,それほどカバーする範囲の広くないコンパクトな低出力型基地局を利用している。おそらくそれがロケーション3で電界強度が弱い原因で,つまり基地局との物理的な距離はそう遠くない。このあたりがロケーション2のスループットがロケーション3に優った理由ではないだろうか。 これは基地局密度の違いとも受け取ることができる。あくまで仮定が正しければだが,都市部などにおいて基地局が密な場合,電界強度が全体に低くても結構高スループットを得られる可能性も高いわけだ。 ドコモのPHSでの「p-p@c」はここでも大健闘。受信が58Kbps,送信が56.06Kbpsとなった。
[坪山博貴,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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