ドイツでiモードは売れていない?──「n21i」を現地調査(2/4)

【国内記事】 2002年4月26日更新

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 日本から持っていった「N503iS」と比較すると,大きさや重さは同じようだが,案外と似ていないことも分かってくる。アンテナの位置が折りたたみ部に移動しているほか,ボタンのレイアウトが微妙に異なっている。折りたたみ時に効果を発揮するサイドボタンもない。ボディデザインについても全体的に手が入れられている。背面にサブ液晶はなく,iモードロゴが入っている。



 中でも一番驚いたのは,液晶画面の明るさの違いだ。写真を見てもらうと分かるとおり,その差は歴然。どちらもバックライトを点けた状態だが,バックライトがないとn21iは画面が見えないほどになる。設定の違いかと,念のため店員さんにも確認したが,「日本のはこんなに明るいのか!」と逆に驚かれる始末だ。

 両者の違いといえば,電池マークが画面の左上にあることと,アンテナマークがフルスケールで4本になっていることだ。バイブモードは1種類のみで,マナーモードやドライブモードは見当たらない。言語は6種類(英,イタリア,スペイン,フランス,ドイツ,オランダ)のうちから選択することができ,各種のメニューは言語に頼らないようアイコンが多用されている。今後のヨーロッパでの展開には,これ1機種ですべてに対応できそうだ。


N503iSとn21iのバックライトの違い

 続いてiモードサービスを試してみようと,センターに接続を試みたがうまくつながらない。実機なのにおかしいなと思って先ほどの店員さんに聞いたら,なんと本日はセンターでトラブルが起きていて,iモードが使えないのだという。「いずこも同じか……」と納得し,店員のMarkus Drechslerさんへのインタビュー取材へと切り替えた。


店員のMarkus Drechslerさん

 「iモードはまだスタートしたばかりということもあり,このショップではお客さんからの反響はほとんどありません。たぶん,まだ知られていないのだと思います。n21iはカラーディスプレイや和音などをアピールしていますが,ベルリンの人はそうしたことにはあまり興味がなく,使えればいいということだけを考えます。カラフルなデザインもあまり売れ行きには貢献しないでしょう。iモードの普及は難しいかもしれません。実際にこのショップではまだ1台も売れていないのです」

 日本のN503iSに興味を示していた彼から,iモードに悲観的なコメントが寄せられたのは実に残念だった。だが,これこそが現地の声なのであろう。

 ドイツの町並みを見ても,カラフルな携帯電話にお目にかかることはない。多少は携帯電話に色がついていたフランスの町並みと比べても,そうした国民性というものをうかがい知ることができる。では,ドイツでのiモードに将来はないのだろうか。

 「携帯電話でE-mailができる機種は,NokiaのPDA型電話機(799ユーロ:約8万5千円)と今回のn21i(249ユーロ:約3万円)しかないので,ノキアの最新機種(249ユーロ:約3万円)を買うよりも絶対にお得なんです。自分でもiモードのE-mailを実際に使っていますが,操作性の面でとても使いやすいと思います。

 iモードが売れない理由は,価格なのか,デザインなのか,機能なのか。ドイツでの初日の取材を通して,調査隊の疑問はますます深まったのであった。


NokiaのPDA型端末「9210」。開くと右の写真のようになる

4月6日(土)──こちらでも売れていない?

 この日はベルリンで一番大きな町,Zoologische Gartenへと向かうことにした。目指すはE-Plusショップ・ベルリン1号店だ。大通りに面しただけのことはあって,昨日の7号店よりもだいぶ混雑している。いや,土曜日のお昼近くだからということかもしれない。



店内には親子連れの姿も見ることができた

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[鈴木晴代,江戸川,ITmedia]

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