Mobile:NEWS 2002年6月19日 09:48 PM 更新

どれだけデジカメの使用感に近づけるか〜NECが語る「J-N05」

6月15日に発売されたNEC初の写メール端末「J-N05」。写メール端末としては後発になるが、同社ではその分カメラ機能にはこだわったという。狙いはどこまで“デジカメ”の使用感に近づけるかだ

 6月15日に発売されたNEC製の非パケット対応端末「J-N05」は、同社初の写メール対応端末だ。価格は都内量販店で新規契約が1万4800円、1年以上の場合の機種変更価格が2万2300円。後発なだけに「撮影と閲覧の2つの機能には徹底的にこだわった」とNECネットワークス モバイルターミナル販売推進本部の宮地賀彦主任は話す。カメラ機能搭載のコンセプトは「どれだけデジカメの使用感に近づけられるか」(同氏)

デジカメライクな機能を携帯電話に

 「デジカメは、きれい・簡単・感動・忠実という4つのコンセプトに基づいて設計されていることが多い。J-N05は、そのコンセプトを携帯電話のカメラ機能にシフトさせた」(宮地氏)

 それが反映されているのがカメラのサブメニューに用意された「撮影環境」だ。ノーマルなカラーバランスの「スタンダード」以外に、見た目の印象に実際に近づける「印象」、肌色をきれいに出すために赤を薄くし、全体を明るめにする「人物」、蛍光灯下でも自然なタッチにする「室内」、秒間フレームを12枚から4枚にすることで暗い場所でも光を取り込んで撮影できる「ナイト」の4種類が用意されている(5月29日の記事参照)。

 モバイルターミナル事業部商品企画部の宮内伸晃氏は「写真の色味には好みがある。撮影環境では好みに合わせた撮影が可能」とこの機能のメリットを語った。「同じシーンをそれぞれの設定で撮影すると、色味の違いがかなりはっきり出る」(宮内氏)

 「例えば店でうな重を撮った時に、うな重本来の色味が出ない場合もある。ほかの端末なら諦めるしかないが、J-N05ではほかの撮影環境で試して一番近い色味で撮影できる」(宮地氏)。

 ナイトモードは5ルクスまでなら、識別できる程度の撮影が行えるという。ちなみに5ルクスは、だいたいろうそく1本を灯したぐらいの明るさだそうだ。フラッシュの搭載は「特に考えなかった」と宮内氏。「いちいち取り付けて撮影するのは携帯電話の軽快な動作を損ねてしまう。また10万画素のカメラでそこまでの機能を利用したいユーザーがどれだけいるのかは疑問」(同氏)

 デジタルカメラ的な機能としては、撮影した画像のコントラスト調整を行う機能もある。明るさ調整などは他社製端末にも搭載されているものがあるが、ぼやけた写真の補正が可能なコントラスト調整は「カメラ内蔵端末ではたぶん初めて」(宮内氏)だという。


ブレた写真(左)にコントラストをきつめにかける(右)

 なお、携帯端末ではカメラの起動をファンクションキーに割り当てていることが多いが、J-N05はメニューからアクセスする。これは従来機種の操作体系に合わせた仕様で意図的なものだという。

撮った画像をよりきれいに見せる高精細液晶

 前機種のJ-N04は4096色のTFDカラー液晶を搭載していたが、J-N05は6万5536色のTFTカラー液晶が搭載されている。しかも、撮影した画像をきれいに見せるため、より高解像度な216×160ピクセルの製品を採用した。

 いくらカメラが31万画素でも液晶のドット数が少なければ、せっかくきれいに撮れた写真も宝の持ち腐れになってしまう、と宮内氏はいう。「例えば31万画素のカメラで撮影した画像を160×120ピクセルの液晶で見ても、31万画素本来のきれいさは表現できない。J-N05は、カメラこそ10万画素だが液晶のドット数が多いため、撮影画像本来のきれいさに近い形で閲覧できる」(宮内氏)

ソフトウェアは細かい部分のバージョンアップが中心

 内部機能でJ-N04から大きく変わったのは、フォントと日本語変換機能。フォントは3種類のサイズ、2種類の書体、3種類の太さから選べるようになった。「液晶が高詳細化したことで見やすくできるのは文字。その部分にはこだわった」(宮内氏)。フォントはLCフォントが採用されている。


20ドット、16ドット、12ドットから選べるフォントサイズ。一番右はポップ調の文字

 日本語変換では流行語や口語表現を含む1万語の用例が収録されたAI辞書を搭載している。「当社のワードプロセッサの辞書をベースにしており、ワープロレベルの変換が可能」(同氏)

 メールの自動振り分けや、1件のメモリダイヤルへの複数電話番号および複数メールアドレス登録機能の搭載は見送られている。「これらの搭載は今後の課題」(宮内氏)

カメラが前面に出過ぎないデザイン

 ハードウェアのデザインも、基本はJ-N04を踏襲しつつ、細かい変更がなされている。新たに搭載されたカメラも「カメラが前面に出過ぎないようなデザインを意識した」ため、すっきりした印象だ。

 着メロは、内蔵のもののみ40和音で再現できる(ダウンロードでは16和音)。スピーカーは背面下部にあり、スピーカーの左右は「置いたときにも音が左右に聞こえるように」(宮内氏)くぼんだラインが刻まれている。音源チップはヤマハのMA-3だ。

 ファンクションキー部分はシルバーの地に白いアイコンで機能が表示されている。これは「暗いところでダイヤルキー部分のバックライトと同じ色に光る」(宮内氏)。背面液晶も、従来機種と同じモノクロディスプレイだが、新たに着信メールのアドレスと件名のテロップ表示に対応。メモリダイヤル登録時に背面液晶のバックライトの色を設定することで、相手による光り分けも可能だ。

 J-N05の目玉は、充実したカメラ機能。他社製品を研究するという後発ならではの利点を活かし、サブメニューに用意される機能は狙い通りのデジカメライクな仕上がりだ。デジカメの多くの機能の中から「携帯電話に必要な機能をいかに選ぶか」という難しい問題を巧みに処理し、デジカメ機能をスマートに携帯電話の中に組み込むことに成功している。


メイン画面に「着信あり」アイコンが出たときに決定キーを長押しすると、何の着信があったのかをアイコンが示す

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[後藤祥子, ITmedia]

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