Mobile:NEWS 2002年7月22日 10:23 PM 更新

重要なのはオープンな規格と相互運用性〜Nokiaのモバイル戦略

「モバイルマーケットの成長は、マルチメディアメッセージングにかかっている。どの国でもシームレスに利用できる環境作りが必要」。Nokiaの上席副社長Mikko Terho氏はそう言って、オープンスタンダード推進と相互運用性を保証する枠組み作りの重要性を説く

 モバイルサービスは10億人のマーケット。2001年までの音声利用から今後はマルチメディアメッセージングの利用にニーズの中心が移っていく──。7月19日、WIRELESS JAPANのカンファレンスでNokiaの上席副社長、Mikko Terho氏はこう切りだした。


Nokiaの上席副社長、Mikko Terho氏

 これからの携帯電話には、メッセージング、Java、Webブラウズ、ビジネスアプリケーションなど多くの機能が搭載されるようになる。その時に重要なのが「オープンな規格と、相互運用性だ」(Terho氏)。


 これまでの携帯電話サービスはテクノロジー主導型で開発が進められたため、標準プラットフォームといえるものがなく、開発効率がよくないというのがTerho氏の考え。音声データからマルチメディアメッセージングサービスへと需要が移り変わる今後は、ユーザーの需要や使いやすさの面から規格が統一される方向に向かうのではと話す。

 各地域ごとにアーキテクチャが異なるため、サードパーティのコンテンツ開発もなかなか進まず、同じサービスを世界各地で受けられないのが現状だとTerho氏。「これでは投資額が多額になるうえに、グローバルな発展にも限界がある」。

 Terho氏は、これらの問題を解決に向かわせるのがOpen Mobile Alliance(以下OMA)だと言う。OMAは、世界中の通信オペレータ、デバイスおよびネットワークサプライヤ、IT企業、コンテンツプロバイダなど、モバイルビジネスのバリューチェーンを構築する企業が参加、サービスプラットフォームの統一に向けて情報を共有することで、モバイルサービスに必要な仕様を提供することを目的に2002年6月12日に設立(6月13日の記事参照)された。現在の会員企業は約200社で、NTTドコモ、Vodafone、Microsoft、Intel、Nokiaなど、業界を代表する企業が名を連ねている。


 OMAでは相互運用性のテストも行うため、各世代間、地域間のシームレスなローミングの実現にも貢献するとTerho氏は説明する。「グローバルスタンダードを策定することで、コストの低減や開発の効率化を図れる。無駄な競争をする必要がなく、品質のみで競合できるようになる」(Terho氏)。

 NokiaはOMAの仕様に準拠したプラットフォーム「Nokia Series 60 Platform」を提供している(7月10日の記事参照)。これは同社が自社のカメラ内蔵端末「NOKIA 7650」(6月26日の記事参照)に採用しているほか、松下通信工業が海外向け2.5世代端末に採用すると発表している。


Nokiaがソースコードとして提供するプラットフォーム「Nokia Series 60 Platform」。Symbian OSに最適化されている

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[後藤祥子, ITmedia]

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