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2003年5月30日　11:29 PM 更新

実際には使われていないGPS機能

auのGPS機能付き端末を使うユーザーは、既に500万を突破した。しかし1カ月に複数回以上、GPS機能を利用するユーザーは1割に満たない。ユーザーはGPSに期待はしているが、「GPSの有無が携帯選びのポイントになる」と答えたユーザーは3割しかいない

　携帯電話のキラーコンテンツとして期待された位置情報機能。既にauのGPS機能付き端末だけで500万台以上が市場に出回っている。

　ところがユーザーは、ほとんどGPS機能を利用していない。今なお期待は高いものの、現状の機能や価格には不満足──そんな実情が、調査から見えてきた。

頻繁に位置情報を使うユーザーは1割以下

　auユーザーの半数近くが、GPS機能が付いている端末を持っている。ところが、1カ月に何度もGPS機能を使うユーザーは1割にも達していない。

　その理由として考えられるのは、まだ機能自体が成熟していないことと、コンテンツの不足だ。

　システムの構成上、操作から地図表示まで数十秒かかる点は多くのユーザーが不満に感じる点だ。「位置取得までの時間」には47％が不満としている。GPSと聞いてカーナビを連想した人には、この遅さは予想外だったようだ。「カーナビ同様にリアルタイムでナビしてほしい」という声もあった。

　その結果、「表示の見やすさ」「利用の手軽さ」に満足しているのは2割弱。auは新機種から随時、地図表示までの手順を簡略化させているが、まだまだ改善点は多そうだ。

　ただし評価されている部分もある。au端末に搭載されているGPS機能のウリは、基地局情報も利用することにで精度の高さと屋内での利用を可能にしたこと。「位置の正確さ」については、GPS機能付き端末のユーザーの約半数が満足、「屋内での利用」についても不満を持っているユーザーは2割程度しかいない。

　位置情報利用コンテンツは、そもそも利用しているユーザー自体が少ない。利用頻度を問わず、ほとんどのユーザーが「自分の位置を確認するため」「目的地の場所を探すため」にGPSを使っており、それ以外の利用は1割程度しかない。

付いていてもいいが、決め手にならないGPS

　結局のところ、携帯にGPS機能は必要なのだろうか？ 「携帯電話にGPS機能は必要か」とたずねると、4割近くのユーザーが「必要」だと答える。しかし、「購入時にGPSが携帯電話選びのポイントになるか」と聞くと、「なる」と言うユーザーはぐっと減って28％だけだ。

　ユーザーの評価はシビアだ。現在GPS付き端末を持っているユーザーも、次はGPSの有無では機種を選ばないと答えている。

　「あったら便利かなという程度なので、それによって価格がずいぶん違うと……」「GPSよりは価格やカメラのほうが決め手になる」「今まで機能が付いているにも関わらず、使用したことがないから」……。

　GPS機能の改善点を指摘した24％のユーザーの指摘は、コンテンツの充実と料金、そしてカーナビ的な使い勝手に分かれた。

　「無料サービスを増やしてほしい」「利用料金・通信料金を安くしてほしい」という要望からは、GPSに期待していながらも、使えるシーンが少なく、料金面からも利用を躊躇していることがうかがえる。

　「地図を詳しく表示してほしい」「画面が小さくて見づらい」「地図表示が分かりにくい」といった指摘からは、GPSを生かすために端末がどう進化すべきかが見えてくる。auは先日初のQVGA液晶付き端末を発表したが、地図コンテンツは詳細表示されない。こうした部分こそ、ユーザーが求める機能進化だろう。

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[斎藤健二, ITmedia]

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