Mobile:NEWS 2003年6月13日 00:54 AM 更新

「撮った後」までを考えた多彩な機能〜「J-SH53」のカメラを試す

QVGA液晶や100万画素CCDを搭載しても、それを楽しめる機能がないと面白くない。シャープの全部入り端末「J-SH53」は、こうした機能を生かしたさまざまな工夫が盛り込まれている。

 J-フォン端末初の100万画素CCDを搭載したシャープ製の「J-SH53」。画質の面でも秀逸な色作りという評価を得た(5月28日の記事参照)この端末を、機能面から見ていこう。

J-SH51からVGA保存時間が半分に

 まずは起動から保存までのレスポンスを試した。ここでは「J-SH51」「J-SH52」といった従来機と比較している。

  • カメラ起動の簡単さ
  • カメラ起動の高速さ
  • 画像保存の高速さ


左からJ-SH53、J-SH52、J-SH51


ディスプレイはJ-SH51から見ると大きさ、視認性、解像度ともに格段の進化を遂げた

 カメラの起動は、3機種共通なのが決定キーから「モバイルカメラ」を選ぶか、ユーザーショートカットに「モバイルカメラ」を登録してそこから選ぶ方法。J-SH52とJ-SH53ではサイドボタンの長押しにカメラ起動を割り当てることも可能だ。

 起動は、静止画/動画ともにJ-SH52が一番速く、J-SH53はほんの一瞬遅い。なおJ-SH51は、J-SH52/J-SH53と異なりマクロの選択を促す画面が出ない。そのため同列では比較できないが、マクロ選択画面が出るJ-SH52と同じぐらいだ。プレビュー画面の追従性はJ-SH51からJ-SH53になるにつれ、徐々に向上した感がある。

 注目なのは、画像保存の高速さだ。J-SH52からはそれほど変化していないが、J-SH51に比べるとVGA画像をファインで撮影した場合で約半分。J-SH51からの買い換えを検討する動機に十分なり得るだろう。

  • 機種別の各種保存時間

機種名VGA画像ムービー写メール(音声付き)写メール画像(160×120)
J-SH5119秒12秒7秒
J-SH528秒9秒9秒
J-SH539秒8秒8秒
書き込み開始からプレビュー画面が再度表示されるまでの時間を3回計測、平均した時間。書き込み先はメモリカード

多彩なカメラ設定

 次にJ-SH53のカメラの設定周りを見ていこう。

  • 多段階ズーム対応
  • 設定変更の容易さ
  • 画像のメール送信へのアクセス

 J-SH53は、静止画の撮影サイズが7種類ある。写メールで送信可能な4種とSDメモリカードに書き込まれるVGA以上の3種だ。

撮影サイズ写メールでの送信書き込み先ズーム
64×96本体かSDカード20段階7.1倍
120×128本体かSDカード20段階7.1倍
120×160本体かSDカード20段階7.1倍
240×320J-SH53とPC宛てに送信可能本体かSDカード10段階3.5倍
480×640×SDカード5段階1.7倍
768×1024×SDカード×
858×1144×SDカード×

 ズームの切り替えは、カメラ起動後に左右キーを押すと行える。写メールモードでは10〜20段階と細かい設定が可能だ。QVGAに満たないサイズを撮影する際には被写体が画面中央に小さく表示されてしまうが、メモボタンを押せば画面いっぱいに表示させられる。

 上下キーは明るさ設定、「*」キーは背面液晶へのファインダー切り替え、「#」キーは撮影補助ライトの点灯に割り当てられている。フレームを付けた状態での撮影や連写設定、撮影サイズの変更などは右ソフトキーから行う仕組みだ。

 写メールで送信できる4種類のサイズで撮影した場合は、撮影直後に左ソフトキーを押すと、画像が添付された状態のメール送信画面が起動する。宛先は、よく送る相手をあらかじめ9件まで登録可能な「簡単メール宛先呼出」や送信履歴、メモリダイヤルなど6種から引用できて使いやすい。

 J-SH53でユニークなのは、そのままでは送信できないVGA以上の画像でも、送信可能なサイズの画像が自動生成され、写メールできるところ。画像を選択して右ソフトキーを2回押すと、120×160ピクセルの縮小画像が添付されたスーパーメールの送信画面が起動、元画像のサイズを意識せずに画像を送信できる。

 また、480×640、768×1024、858×1144ピクセルの画像を表示させた状態で「メニュー」を選び、「データフォルダに保存」を選ぶとQVGAサイズの画像を生成することも可能。ただしここで生成される画像はJ-SH53で送信可能な30Kバイト以下のサイズに自動変換されるわけではないので、サムネイルに表示されるファイル容量を確認して送信可能なものを選んで送ることになる。

 それでもVGAサイズ以上の画像はメール添付で送信できないJ-フォンで、PCやJ-SH53宛てに送信可能なQVGAサイズに変換してくれるこの機能はなかなか使える。

右は858×1144ピクセルの画像。同じデータを端末内の機能で120×160ピクセル(左)、240×320ピクセルに縮小したデータ(中) (右2つの画像はクリックで生データへ)

撮った後も楽しめるさまざまな機能

 J-SH53には撮った後を楽しむ機能も用意されている。面白いのが120×160ピクセルなど小さいサイズで撮った画像をQVGAの待ち受けサイズに拡大できる機能だ。そのまま引き延ばすとジャギーが出てしまうが、それをなめらかに加工する「ソフト」機能が用意されている。これまでの端末で撮った写真でも待ち受けに設定できるなど、QVGAらしさを生かした機能だ。


J-SH52で撮影した120×160ピクセルの画像をQVGAに拡大。「ソフト」を使えばジャギーが目立たないように補正できる

動物など自然のものは比較的ジャギーが目立たない。左から元画像、拡大画像、ソフト補整した画像(右2つの画像はクリックで生データへ)

逆に直線が多い幾何学的な写真は苦手。左から元画像、拡大画像、ソフト補整した画像(右2つの画像はクリックで生データへ)

 別々に撮影した2枚の写真をパノラマ合成できる機能もユニーク。横に広がる風景や、横長の看板などを2枚に分けて撮影しておけば、端末側で1枚の横長のパノラマ合成写真にできる。

 合成の際には、つなげたい写真を2枚選ぶだけで、位置合わせなどは端末側で自動的に判断してくれる。


パノラマ合成に使えるのは48×64、120×128、120×160ピクセル。普通に撮影したものをつなぎ合わせる「標準」のほかに、近距離撮影の際に出る視差を補正してつなぐ「近景」、文字入りの写真を合成する「ドキュメント」の3つのモードがある。会社のフロア案内を2枚撮影し「ドキュメント」で合成してみた。ラフに撮影した割にはうまい具合に合成されている


ロビーを「標準」でパノラマ合成

 480×640、768×1024、858×1144ピクセルサイズの画像は、3行×3列で表示されるサムネイルで確認できるほか、端末内でも実画像を閲覧できる仕組み。文字データの入った時刻表や看板などを撮影しても端末内だけで情報を見られるため、使い方が広がりそうだ。


サムネイル表示では、画像にカーソルを当てるとデータ容量が表示される。サムネイル表示からメニューを選ぶと120×160ピクセルに縮小された画像を写メールできる。サムネイルから目的の画像を選んで表示させ、メニューを押すと「実画像表示」を選択できる


左がサムネイルからデジタルカメラデータを表示させたところ。右は実画像表示。実画像表示ではズームはできないが、移動は行える

 また撮影した静止画は、「写メールデータ」「デジタルカメラデータ」ともに、端末内でスライドショーのように連続表示させられるなど、「撮った後」をサポートする機能にも配慮が行き届いている。



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▼ J-フォン

[後藤祥子, ITmedia]

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